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 米The Boston Globe社が立ち上げたヘルスケア・ライフサイエンス系専門メディアのSTATは、2020年4月16日、米Gilead Sciences社が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の中等度と重度の患者を対象に実施しているレムデシビルの臨床試験に参加している施設からの情報として、臨床試験でレムデシビルを投与された患者のほとんどで症状が回復し、1週間以内に退院したと報じた。

 レムデシビルは、米Gilead Sciences社がエボラ出血熱を対象に開発を進めていた低分子化合物(核酸アナログ製剤)で、ウイルスのRNAポリメラーゼを阻害する作用を有する。これまでに承認された国・地域は無い。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対しては、試験管内(in vitro)の実験で、ウイルスの活性を抑えることが明らかになっており、世界中で複数の臨床試験が実施されている。中でも、Gilead社は、2本の第3相臨床試験を実施中。

 うち1本は、COVID-19と診断された中等度の入院患者1600例を対象としたもので、被験者を標準療法に上乗せしてレムデシビル(開発番号:GS-5734)を5日間または10日間静注投与する群と、標準療法を受ける群に割り付け、11日後の重症度を7段階の尺度で評価する非盲検ランダム化比較試験だ。同第3相臨床試験には、日本を含めた世界各国・地域、169施設が参加しており、「現在も患者の組み入れを行っている」(Gilead社の日本法人の広報担当者)。

 もう1本は、COVID-19と診断された重度の入院患者2400例を対象としたもので、被験者を標準療法に上乗せしてレムデシビル(開発番号:GS-5734)を5日間または10日間静注投与する群に割り付け、14日後の重症度を7段階の尺度で評価する非盲検ランダム化比較試験だ。同第3相臨床試験には、世界各国・地域、152施設が参加しているが、「既に患者の組み入れは終了している」(Gilead社の日本法人の広報担当者)。

 記事によれば、STATは、これら2本の第3相臨床試験に参加しているシカゴの病院の会議の内容を入手。同病院では、100例以上の入院患者を組み入れ、大部分が重度だったものの、そのほとんどでレムデシビルの投与後に症状が改善し、1週間以内に退院したといい、「COVID-19に初めて承認される治療薬になる可能性がある」と報じている。ただし、いずれの第3相臨床試験も対照群にプラセボ群は置いていない。

 Gilead社は、2020年5月にも、2本の臨床試験に組み入れられた計1000例の患者について、「何らかの形でデータを公表する予定」(Gilead社の日本法人の広報担当者)と説明しており、こうしたデータなどを踏まえて、承認申請の可否を判断するものとみられる。