武田薬品工業は、旧アイルランドShire社の買収で手に入れた血漿分画製剤事業の一環として、3月初めに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療用に新規の血漿分画製剤(開発番号:TAK-888)の開発に着手していたが、2020年4月6日に他の血漿分画製剤企業などと提携して、より大きな枠組みの下でCOVID-19向けの血漿分画製剤の開発に乗り出すと発表した。

 武田薬品と提携したのは血漿分画製剤の世界大手であるオーストラリアCSL社の米国子会社であるCSL Behring社、全米に血液収集センターを持ち、グローバルで血漿分画製剤事業を行う英Bio Products Laboratory(BPL)社、欧州に血液収集センターを有して血漿分画製剤事業などを行うドイツBiotest社、欧州で血漿分画製剤などを事業化しているフランスLFB社、欧州と米国を中心に血漿分画製剤事業などを手掛けるスイスOctapharma社の5社。提携の下、ノーブランドの抗SARS-CoV-2ポリクローナル高度免疫グロブリン製剤の開発を進める。各社が有するリソースを集結することで、治療薬候補の開発を加速するとともに、供給量も増やす考えだ。

 もっとも、免疫グロブリン製剤はCOVID-19から回復した患者から血漿を採取した後、HIVやHCV、HBVなどへの感染リスクを回避するためにウイルス不活化・除去処理を行う必要がある。リスク回避のために、通常の免疫グロブリン製剤などは採血後、半年から1年近いリードタイムで製造されている。また、市販するには臨床試験も必要だ。このため武田薬品ではCOVID-19向けの免疫グロブリン製剤の発売までには、「早くても9カ月から18カ月程度かかる」としている。