新型コロナウイルス感染症への対応でヘルスケア企業が協働する(画像:123RF)

 スイスNovartis社などヘルスケア領域の企業15社が、Bill & Melinda Gates Foundationなどから支援を受け、共同で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に対応する。Novartis社などが2020年3月26日に、COVID-19に対するワクチン、診断薬、治療薬の開発と製造、流通を加速するための新たな取り組みの概要を公表した。

 COVID-19を対象とする、既存の薬剤の有効性の検討や、診断検査、化合物、ワクチンの開発は世界的に行われている。製品候補の有効性が示唆されれば臨床試験を行い、効果が確認されれば、製造規模を拡大するとともに、流通経路を確立しなければならない。生命科学業界は、世界各国での承認獲得の方法も含めて、この過程における豊富な経験を持っている。

 既に多くの会社が、個々に政府や他のパートナーと協力して、COVID-19向けの製品開発を進めている。しかし、世界の製薬会社やライフサイエンス関連企業が力を合わせれば、有望な製品の開発をさらに加速でき、製造工程の速やかなスケールアップも可能になると予想される。

 Gates Foundation、Wellcome Trust、Mastercardが資金を提供して3月10日に開始したCOVID-19 Therapeutics Acceleratorプロジェクトは、感染拡大を緩やかにし、終息に向かわせる製品を速やかに世界の人々に、特に、感染リスクの高い国や貧困国の人々に届けることを目指している。同プロジェクトのシードマネーは計1.25億ドルとなっている。

 このプロジェクトへの参加を決めた15社は、協力の第一歩として、COVID-19に対する活性と安全性に関する情報が既に得られている、各社専有の化合物ライブラリーを共有することに同意した。プロジェクトの一環として行われる、スクリーニングによる有望な化合物の選出が成功裏に進めば、その後2カ月以内にin vivo試験に移行できる可能性があるという。

 プロジェクトへの参加を公表しているのは、米Becton, Dickinson社、フランスbioMérieux社、ドイツBoehringer Ingelheim社、米Bristol-Myers Squibb社、エーザイ、米Eli Lilly社、米Gilead Sciences社、英GlaxoSmithKline(GSK)社、米Johnson & Johnson社、米Merck社、ドイツMerck KGaA社、スイスNovartis社、米Pfizer社、フランスSanofi社だ。