JAMSTECと産総研など、真核生物の性質持つ深海の古細菌を分離共生培養

 生物界は核の有無により、核の無い原核生物(prokaryote)と核のある真核生物(eucaryote)の2種類に分類できる。ところが生物の進化を、新たなゲノム情報を考慮して解析すると、生物界は真性細菌(bacteria)と古細菌(archaea)の2つのドメインに分類されるという2ドメイン説が有力になってきた。従来の3ドメイン説でドメインの1つとされてきた真核生物が、古細菌の一部に含まれるという考え方が支持されるようになってきたのだ。この確かな証拠となる新たな研究成果を、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と産業技術総合研究所(産総研)など日本の研究グループが論文発表した。真核生物の性質を一部持つ特殊な古細菌の分離培養に初めて成功し、形態や細胞内の構造なども詳細に観察した論文がNature誌2020年1月23日号に掲載された(掲載公開の日本時刻は1月24日)。その表紙に、深海堆積物から分離された古細菌MK-D1株を培養した細胞形態を撮影した走査型電子顕微鏡写真が掲載された。MK-D1株は、分離培養で増殖が終わる頃になると、触手のような長くて枝分かれした突起構造を細胞外に形成する。この特殊な細胞形態が、古細菌が真核生物への進化に寄与したという新たな生物進化モデルE3モデルを、研究グループは提唱している。

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