マイクロRNA(miRNA)とは、血液や尿、涙液などの体液に含まれる、20塩基から25塩基の長さを持つ小分子RNAのこと。体内の様々な細胞が情報伝達に利用していると考えられており、ヒトでは2650種類以上のmiRNAの存在が確認されている。miRNAは遺伝子発現を制御する機能を持ち、自身の塩基配列と部分相補的な配列をもつmRNAを認識して、翻訳を抑制する。

20塩基ほどのマイクロRNA(図中はピンク色)がmRNA(青色)に結合することで翻訳を抑制する(画像:123RF)
20塩基ほどのマイクロRNA(図中はピンク色)がmRNA(青色)に結合することで翻訳を抑制する(画像:123RF)

 がんや心疾患、炎症性疾患などと関連するmiRNAが発見されていることから、新たな医薬品候補のターゲットとして研究が進められている。また、尿や血液など採取しやすい検体を用いたリキッドバイオプシーの診断技術としての開発も盛んだ。

 miRNAを標的にした医薬品を開発する国内の代表的なスタートアップの1社が、ミラックスセラピューティクス(東京・千代田、伊庭英夫代表取締役)だ。同社は東京大学医科学研究所や千葉大学真菌医学研究センターでmiRNA阻害薬やNF-κB阻害薬などの研究開発に携わってきた伊庭氏を中心に、2020年5月に設立された東京大学・千葉大学発のスタートアップだ。同社の現在有望な開発パイプラインは2種類あり、1つは特定のmiRNAを強力に阻害する核酸医薬「Super-S-TuD」、もう1つは炎症に関わるNF-κBの転写を制御するDPF蛋白質の阻害薬の開発だ。

 もう1つ注目のスタートアップが、ミルテル(広島市、田原栄治代表取締役社長)だ。同社は広島大学大学院医系科学研究科の田原栄俊教授の技術を実用化するために、2012年9月に設立された。主要なサービスとして、ヒトのテロメア長を検査する「テロメアテスト」と、miRNAを含む小分子RNAを検査する「ミアテスト」を提供している。これまでは医療機関の自由診療向けに検査を行ってきたが、企業と新たな商品を共同開発して事業を拡大するフェーズに入った。

バイオスタートアップ総覧 2021-2022
miRNAをターゲットにした医薬品や診断技術の開発を手掛けるスタートアップの掲載ページは以下の通りです。
ミラックスセラピューティクス(p.386)、ミルテル(p.393)、Craif(p.514)、e-NA Biotec(p.520)、aceRNA Technologies(p.839)など
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