1カ月ぶりにGreenInnovationメールでお目にかかります、日経バイオテク編集の河田孝雄です。原則として第4木曜日のGreenInnovationメールを担当しております。今回は年末が近いため、第3木曜日にお届けします。

 今回は、日本分子生物学会が2018年11月末に横浜市で開催した第41回日本分子生物学会年会にて、「分子生物学×生態学」のワークショップとフォーラムが開かれたことを紹介します。

※2018年11月28日(水)
日本分子生物学会・日本生態学会合同企画

【ワークショップ】分子生物学×生態学:生物学を原点に回帰する

【フォーラム】分子生物学×生態学:生物学を起点に回帰するPartII

 特定非営利活動法人日本分子生物学会の理事長をお務めの東北大学大学院生命科学研究科発生ダイナミクス分野教授の杉本亜砂子さんと、一般社団法人日本生態学会の代表理事(会長)をお務めの東北大学大学院生命科学研究科生態ダイナミクス講座水圏生態分野教授の占部城太郎さんに、この連携についてお話を伺いました

 日本分子生物学会のトップの杉本亜砂子さんと、日本生態学会のトップの占部城太郎さんが共に、東北大学の教授であることが、この連携の大きなきっかけになりました。

 詳しくは追って報道してまいります。今回のメールではまず概要をお知らせします。

 日本分子生物学会と日本生態学会とが連携したイベントはこれが初めてとのことです。そもそも、日本分子生物学会が、特定の学会と連携したセッションを設けたのも、今回が初めてとのことです。

 次世代DNAシーケンサー(NGS)とCRISPR/Casなどのゲノム編集ツールの登場により、非モデル生物の研究が飛躍的に進み、必然的にモデル生物中心だった分子生物学会と、多様な生物を対象とする生態学会との距離が急速に接近しています。

 日本生態学会は、2019年3月15日から19日まで神戸国際会議場・神戸国際展示場で開催する第66回日本生態学会大会にて、日本生態学会・日本分子生物学会の合同企画シンポジウムなどを開催します。

 東北大学大学院生命科学研究科生態発生適応科学専攻教授の河田雅圭さんが「環境適応の分子基盤研究に生態学者はどう関わるべきか?」という趣旨説明を行い、杉本さんの「細胞生物学・発生生物学と生態学の接点-線虫種間比較研究をモデルケースとしてー」と題する発表などが行われるシンポジウムも予定されています。

 2019年春頃までに、いわゆるカルタヘナ法の見直しなどが日本の内閣府主導で実施されます。

 2018年度に会誌された放送大学の「初歩からの生物学」の第12回「生物群集」などの議論を拝見すると、もっぱら目で見える生物のみが議論の対象になっていて、いわゆる微生物は忘れ去られた内容であることがままあります。

 カルタヘナ法における生物多様性への影響の議論でも、微生物への影響はどうやって評価し得るのかが、課題となっています。

 この課題を少しでも解決していくためには、NGSとCRISPR/Casのような分子生物学的手法の利用が欠かせません。

 日本生態学会と日本分子生物学会とが連携した取り組みに期待しております。