1カ月ぶりにGreenInnovationメールでお目にかかります、日経バイオテク編集の河田孝雄です。原則として第4木曜日のGreenInnovationメールを担当しております。

 今回は、オリンピック、パラリンピックに関連した話題をお届けします。

 2018年2月9日から25日までの17日間にわたり第23回冬季オリンピック競技大会が、続いて3月9日から3月18日までの10日間にわたり第12回冬季パラリンピックが、韓国のピョンチャン(平昌)で開催されます。

 そして2020年にはオリンピック・パラリンピックが東京で開催されます。オリンピックは7月24日から8月9日までの17日間、パラリンピックは8月25日から9月6日までの13日間。2年半先ですね。

 東京オリンピック・パラリンピックでは、「持続可能性に配慮した調達」が掲げられています。

 日本食の魅力の1つであるお刺身など、多様な魚介類をオリンピック・パラリンピックでも、世界中の方々に味わっていただきたいのですが、そのためには、現在の収奪を主力とする漁業を、持続可能な漁業へと進化させる必要があります。

 持続可能な漁業・養殖業を認証する国際制度としては、WWF(世界自然保護基金)が創設を支援した非営利組織であるMSC(海洋管理協議会)とASC(水産養殖管理協議会)があり、世界では認証の比率は水産物の1割を超えているようですが、日本ではこれら認証を取得できた魚介類はごくわずか。日本でよくみられる「ガラパゴス化」の1つともいわれています。

 先週、和歌山県白浜町にある近畿大学水産研究所白浜実験場にて、実験場長でもある水産研究所教授の家戸敬太郎さんに取材しました。

 そのときに、特定非営利活動法人(NPO法人)持続可能な水産養殖のための種苗認証協議会が、2017年9月に白浜に設立されたことも伺いました。代表者の理事長には、水産研究所所長の升間主計さんが就任しました。

 マダイやクロマグロをはじめとして、近畿大学水産研究所は、人工種苗を用いた完全養殖の実績をたくさんお持ちです。

 「東京オリンピックはもちろんのこと、できればピョンチャンにも間に合わせたいと、NPOを立ち上げた」と家戸さんはお話しでした。

 持続可能な漁業・養殖は、国連開発計画(UNDP)の持続可能な開発目標(SDGs)に対応した国際的な取り組みといえます。

 今年に入り、ウナギの稚魚のシラスの漁獲量がさらに落ち込んだという報道もありました。ウナギの完全養殖に向けた取組みを昨年秋以降にも何度か報じましたが、完全養殖のニーズは一層高まっていますね。

 家戸さんらは近畿大学水産研究所富山実験場にて、アナゴの完全養殖にもお取り組みです。アナゴも、漁獲量の減少が問題になっています。

 完全養殖のクロマグロの事業化は、年末年始に多くの企業が発表しました。

 技術革新が、この持続可能に寄与する成果について今年も引き続き、報じてまいります。