【GreenInnovation Vol.337】

アグリバイオ最新情報【2017年7月】のハイライト

(2017.08.10 08:00)
  アグリバイオ最新情報【2017年7月】のハイライト
      ISAAA日本バイオテクノロジー情報センター(NBIC)の冨田房男代表

 遺伝子組換え(GM)食料作物に関する新しい映画が、ニューヨークとロサンゼルスで封切りされた。映画製作者は製作意図について、「GMOは食糧と食品システムに関するほとんどすべての問題についての隠喩(メタファー)であり、そのメタファーにメリットや科学的真理があるかどうかを探求したいと思っていた。恐らく、GMOの議論をよく理解すれば、話題にかかわらず、科学技術に関する一般的な情報に基づいた意思決定を行える」と述べたという。Florida大学のKevin Folta博士は、「科学者として、遺伝子組換えが人々の生活を変え、地球を助ける安全で効果的な素晴らしい解決策であるにもかかわらず、資金力があり、巧みに仕組まれた誤った情報と恐怖のキャンペーンによってその使用が制限されていることを思い起こす」と、この映画に対する感想をHuffington Postで述べている。

 米国における遺伝子組換え作物の導入状況が出てきた。これによると、除草剤耐性(HT)および害虫耐性(IR) 作物の導入状況のまとめである。 HTおよびIR品種の採用導入率の増加の一方、スタック(多重)品種の導入がより一層近年加速している。
HTダイズの導入は、2017年に米国の総ダイズの94%に達した。すべての遺伝子組換えワタ(IR、HT、スタック)の導入は69%に達し、遺伝子組換えトウモロコシは2017年の総作付トウモロコシの92%を占めた。

 新品種改良では、クイーンズランド工科大学(QUT)の研究者が、ビタミンA欠乏の危機にさらされているアフリカの多くの命を救うために、ビタミンAが豊富な遺伝子組換えバナナを開発した。ゴールデンライスに次ぐ重要な試みである。また、中国は、新遺伝子多重化法「TransGene Stacking II」を用いて、紫色のイネを開発した。ジャポニカおよびインディカ品種の胚乳内に8つのアントシアニン生合成遺伝子を形質転換した。得られた紫色の胚乳米は、胚乳において高いアントシアニンレベルになり、抗酸化活性を有していた。また、一方オーストラリア遺伝子技術規制局(OGTR)は、遺伝子組換えコムギとオオムギの隔離圃場試験を承認したことで、いよいよコムギのGM品種の出現が近いと期待できる。 日本の抗アレルギー米の実栽培の近いことを願うものである。

世界
FAOによると飢餓人口が再び増加している

アフリカ
アフリカでのビタミンA欠乏を無くするためにゴールデンバナナを開発
アフリカの飢餓を改善するためにウイルス抵抗性キャッサバを開発

南北アメリカ
米国における遺伝子組換え作物の導入状況
映画「進化する食品」で遺伝子組換え食品再論議

アジア・太平洋
中国がコーンルートワーム耐性トウモロコシを輸入承認
オーストラリアが遺伝子組換えコムギとオオムギの隔離圃場試験を承認
中国の科学者たちは、新遺伝子多重化法で紫色イネを開発

ヨーロッパ
英国の研究者が鉄高含有コムギを開発

文献備忘録
期待を超えるもの:2016年の遺伝子組換え作物の事実

国際アグリバイオ事業団(ISAAA)アグリバイオ最新情報【2017年7月】
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/082400010/080900012/

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