【GreenInnovation Vol.334】

「深海探査は外交戦略」、JAMSTECの高井研さんが腸内細菌学会で講演 Microbes and Environments誌のIFが2.91に向上

(2017.06.22 08:00)
河田孝雄

 1カ月ぶりにGreenInnovationメールでお目にかかります、日経バイオテク編集の河田孝雄です。原則として第4木曜日のGreenInnovationメールを担当しております。

 昨日と今日は、仙台の第17回日本蛋白質科学会年会を取材しておりますが、今回は、先週木曜日(2017年6月15日)と金曜日に神戸にて、日本ビフィズス菌センターが開催した第21回腸内細菌学会からの話題をお届けします。500人を超える参加者が集まりました。5年前の神戸開催で300人だったのに比べると、1.7倍。腸内細菌の注目度、高まってますね。

 先週の金曜日朝までにまとめたメールもご覧ください。参加者は初日夕方時点では430人ほどでした。その後、70人以上、参加者が増えました。

【機能性食品 Vol.291】
神戸の第21回腸内細菌学会に430人超、Florida大医学部のChristian Jobin氏が講演
BB536機能性表示18件の森乳が2018年1月に品川で100周年記念国際シンポ
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/mag/foodmail/17/06/16/00097/

 このメールでは、この学会の中から、2日目午後一番のプログラム、海洋研究開発機構(JAMSTEC)深海・地殻内生物圏研究分野分野長の高井研さんの特別講演「極限環境生命圏の生き様から学ぶ 地球生命の起源や地球外生命の存在」を紹介します。

 高井さんの講演は以前にも何回か聴いたことがありますが、エンターテインメントのサービス精神にもあふれていますね。50分の講演でしたが、映画やスポーツの1つの目安である“2時間ぐらい”は聴いていたい、と思いました。

 このメールのメーンテーマである環境と関係が深いので、少し紹介します。

 JAMSTECは、深海の探査などに使う船などのハード面の充実さで世界一を誇っていたけれども、今年になって、中国に抜かれてしまった(あるいは、抜かれることが決まってしまった)とのこと。JAMSTECの投資の多くは費用対効果が優れていること、これからは、これまでの蓄積を生かしたソフト面で世界をリードする、「深海の探査は、外交戦略にもなる」ともお話しでした。

 高井さんはこの4月から、日本微生物生態学会と土壌微生物学会とが共同編集する英文誌Microbes and Environmentsの編集長にもなられました。ちょうど講演の前日ぐらいに、同誌のインパクトファクター(IF)が2.075から2.909に向上したという連絡があったとのこと、「経営者としては、IFを3.5まで持っていくのが至上命題(至上命令)」ともお話しでした。

 この講演をきっかけにして、IFに関して1つ報じました。ご覧ください。

(2017.06.20)
学術誌のインパクトファクター更新、日本の学協会発で4年連続10超も
バイオ系では胃癌学会、かずさDNA研、植物生理学会が5前後で続く
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/17/06/19/02853/

 IFに対するもっともな批判はたくさんありまして、新たな研究者の雇用で、発表論文のジャーナルのIFを合計した値を使う、などの利用法は困ったものだと思います。ノーベル賞予測で威力を発揮している、個々の論文の被引用数を著者ごとに集計する方式が、王道ですよね。

 しかし、IFは、分野ごとのジャーナルの格を知るのには便利な指標だと思います。

 高井さんは、国立科学博物館で7月11日から、「深海」をテーマとした特別展が開催されることも、紹介なさいました。10月1日までですね。

特別展「深海2017~最深研究でせまる”生命”と”地球”~」
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2017/deep-ocean/

 毎月第2・第4木曜日に配信している日経バイオテクGreenInnovationメールに掲載している記者や専門家によるコラムを掲載します。

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