【GreenInnovation Vol.328】

塩基を変換するゲノム編集技術がホワイトバイオに貢献

(2017.03.23 08:00)
河田孝雄

 1カ月ぶりにGreenInnovationメールでお目にかかります、日経バイオテク編集の河田孝雄です。原則として第4木曜日のGreenInnovationメールを担当しております。

 今回は、グリーンバイオテクノロジーとホワイトバイオテクノロジーにまたがった領域といえるかと思いますが、ゲノム編集技術の進歩により、現在は石油から生産している化成品を、現在の太陽エネルギーを基に生産される光合成産物から生産する取り組みが活発になっている話題を紹介します。

 石油や石炭も元はバイオマスですが、昔のバイオマスからの二酸化炭素が現在の地球上で増えすぎるのは問題が大きいということですね。

 また現在の光合成産物の多くは、食料として重要ですので、食料と競合しないものを原料にする、というのも大切ですね。

 まずは最近の関連記事リストを示します。ものづくりのバイオ中核学会の日本農芸化学会が今週月曜日まで京都で開かれていたこともあり、ホワイトバイオの記事を最近、多くとりまとめています。

ゲノム編集TargetAIDで神戸大iBiokの第1号ベンチャー
神戸大の西田教授が農芸化学会シンポジウムで講演
(2017.03.22)
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/17/03/22/02480/

広島大統括JSTゲノム編集OPERAキックオフに104人
アカデミア9機関と企業13社が参加、ツールの課題も追加へ
(2017.03.21 00:00)
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/17/03/20/02471/

北大と名大、Gluラセマーゼを持たないXanthomonas属細菌の新規一次代謝経路を発見
薬剤耐性菌の抗菌剤の開発にも寄与、JACS誌にて発表
(2017.03.21 00:00)
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/17/03/20/02469/

日本橋LINK-Jネットワーキング第6回のテーマは“ゲノム編集”
CRISPR特許動向を日米の事務所が講演、60人が参加
(2017.03.16 00:10)
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/17/03/15/02455/

UC Davisと旭化成、藍藻のゲノム改変で2,3-ブタンジオールを高効率生産
RuBisCOの基質の細胞内濃度上昇で炭素固定効率を向上
(2017.03.16 00:05)
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/17/03/15/02454/

日本触媒と神戸大、ゲノム編集TargetAIDでブタノール発酵の収率向上
農芸化学会で発表へ、産業界のTargetAID活用発表は初
(2017.03.16 00:00)
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/17/03/15/02453/

 これらの記事とりまとめでは、特許情報プラットフォームが使えない状態が続いていて、ちょっと困っていました。先週金曜日(2017年3月17日)に、3月9日の緊急停止以来、ようやく特許情報プラットフォームが再開しました。

 TargetAIDというゲノム編集技術が、ホワイトバイオで重要になりそうです。

 ホワイトバイオの生産に用いる微生物では、遺伝子損傷の修復機能が、ヒトなどに比べて整備が進んでいない場合が多いようで、CRISPR/Cas9などのゲノムDNA2本鎖を切断してしまうゲノム編集ツールだと、毒性が強く出てきてしまいます。

 デアミナーゼという酵素を用いて塩基を変換するTargetAID法は、このような微生物の育種にも適しているようです。

 神戸大学と日本触媒が出願した特許(PCT/JP2016/076711、標的化したDNA配列の核酸塩基を特異的に変換する、グラム陽性菌のゲノム配列の変換方法、及びそれに用いる分子複合体)や、日本触媒が出願した特許(特開2017-051185 ゲノム配列が特異的に変換された遺伝子改変クロストリジウム・サッカロパーブチルアセトニカム種微生物、その製造方法およびその用途)がごく最近、公開になりました。

 合成生物学の台頭には目覚ましいものがあるように感じております。

 毎月第2・第4木曜日に配信している日経バイオテクGreenInnovationメールに掲載している記者や専門家によるコラムを掲載します。

PR・告知製品・サービス一覧人材・セミナー・学会一覧