【GreenInnovation Vol.327】

アグリバイオ最新情報【2017年2月】のハイライト

(2017.03.09 08:00)

アグリバイオ最新情報【2017年2月】のハイライト
       ISAAA日本バイオテクノロジー情報センター(NBIC)の冨田房男代表

 今月もコムギに関する話題が気になる。

 第一は、「英国の環境・食糧農村省(Defra)が、遺伝子組換え(GM)コムギの光合成をより効率的に実施するための圃場試験をRothamsted研究所に許可を与えた」ことである。これは、光合成の効率を上げたコムギの圃場試験である。光合成の効率アップはまさに夢の技術だ。「同じ資源と土地を使って相当する非遺伝子組換え植物よりも多くの生産ができることを評価できる重要な前進となるものである」 うまく行くことを期待したい。

イタリアの研究者は、「カロチノイドは、植物の光合成および光酸化防御において重要な役割を果たし、ビタミンAの前駆体である。コムギでは、カロチノイドが穀物の色に影響を及ぼす。穀物黄色色素の遺伝的基礎を理解し、関連マーカーを特定することは、コムギ品質を向上させるための基礎を提供することになる」としている。

 イネの品種改良にも大きな進歩があるようだ。気候変動に対応するものができたとのことである。世界の人口の半分以上が米を主食としているところからこのイネの品種を「食糧安全保障の原動力となるイネ」と名づけたこともっともである。同様にトウモロコシも気候変動対応型が出てきていることは、喜ばしいことである。旱魃による飢餓に直面しているウガンダでまだ作付けができないとは全く理解に苦しむところである。

 おいしいトマトやナタネの油の収量を上げること、また、ダイズの脂肪酸組成を変えるものなどが続々出てきていることもすばらしいことである。

 病気(ジカ熱、デング熱、マラリアなど)を媒介する蚊を遺伝子駆動で絶滅しようとする試みがすでに行われているが、マウスを遺伝改変して雄ばかりを生み出すことで害のある齧歯類を絶滅させる試みがオーストラリアで開始された。科学薬物ではなく害獣を絶滅できる可能性が出てきた。

 最後に、国際アグリバイオ事業団(ISAAA)が、遺伝子組換え作物の開発から実用までのボードゲームを作った。皆様も試してみてください。

世界
中国の研究者ら、おいしいトマトを作る遺伝子を同定
気候変動対応型のイネが登場

南北アメリカ
気候変動に対応できるトウモロコシの遺伝子を同定

ヨーロッパ
イタリアの科学者がコムギにおけるカノチノイド合成遺伝子を検索
ROTHAMSTED研、英環境・食糧農村省からGMコムギの圃場試験の許可取得

研究
代謝工学でゴム含量の高いタンポポを開発
組換え技術で油糧作物ナタネの種子重量と大きさを改善
CRISPR/Cpf1でダイズの脂質含有量を改良

遺伝子組換え作物以外の話題
ゲノム編集で心臓病のリスクを低下
哺乳動物に初のジーンドライブ、オーストラリアで侵襲性齧歯類の根絶を計画

文献備忘録
ISAAAがバイオテクノロジーに関するボードゲーム作製

国際アグリバイオ事業団(ISAAA)アグリバイオ最新情報【2017年2月】
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/082400010/030700007/">https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/082400010/030700007/

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