【GreenInnovation Vol.323】

アグリバイオ最新情報【2016年12月】のハイライト

(2017.01.12 08:00)

アグリバイオ最新情報【2016年12月】のハイライト
       ISAAA日本バイオテクノロジー情報センター(NBIC)の冨田房男代表

 農業科学技術会議(CAST)は、文献調査とその報告者を公開した。「遺伝子組換え作物に対する承認の同調性のないことによる持続的農業、貿易および技術革新に及ぼす影響」と題する出版物は、遺伝子組換え作物に対する承認の同調性のないことによる問題を取り上げている。即ち、いまだに世界的に遺伝子組換え作物の承認・受容性に関して同調性がなくバラバラであることの問題点を挙げている。特にこのために世界的レベルでのコスト、革新と作物改良に対する影響、公的部門と民間部門の両方のバイオテクノロジー開発者の意思決定方策への影響を評価する研究が必要であり、政策立案に情報を提供し、政策手段の設計をよりタイムリーに改善することの重要性を上げている。我が国の農業の発展にどのような影響が出ているかをまとめる必要性を感じるところである。

 さて、遺伝子組換えサトウキビの商業栽培の実現が近くなってきた。ブラジルでは2017年初頭に可能性があるとしている。一方、サトウキビの育種へのいわゆる新育種技術の適用は、ゲノムサイズの大きさからまだまだ難しいとのことであるが、着実に進むことが期待される。

 米国食品医薬品局(FDA)は、遺伝子組換え(GE)ピンク果肉パイナップルの評価を完了し、従来のパイナップル品種と同じく安全で栄養価が高いと結論付けた。新しいパイナップルの品種は「極甘ピンク果肉のパイナップル」と命名されている。

 フィリピンに続き、ヴェトナムで遺伝子組換えトウモロコシの拡大が進んでいる。また、エチオピアでは、2年以内にBtワタの商業栽培が始まり、ナイジェリアでは2年以内に遺伝子組換えササゲが栽培されるとのことである。

 最後に、最近国際アグリバイオ事業団(ISAAA)が公開している「GM作物の導入による有益性」というタイトルの新しいビデオを是非ご覧いただきたい。英語でのものだが容易に理解できるだろう。非導入国が遺伝子組換え作物の商業化を行った場合の遺伝子組換え作物の効果について、各国のバイオテクノロジー専門家およびその関係者の語りを聞いてもらいたい。下記のYoutubeのサイトでご覧下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=DfFbsemHLM8

世界
農業科学技術会議が貿易と遺伝子組換えの課題を調査した新報告を発表

アフリカ
エチオピアがBtワタを向こう2年間で商業化へ
ナイジェリアで2019年にも遺伝子組換えササゲの種子が入手可能に

南北アメリカ
ブラジルは2017年に遺伝子組換えサトウキビを承認の予定
アルゼンチンがSyngenta社の組換えトウモロコシの商業栽培を承認
米国FDAが遺伝子組換えピンク果肉パイナップルを承認

アジア・太平洋
ベトナム農業農村開発省、遺伝子組換えトウモロコシの栽培拡大を期待

研究
Bt技術を用いて耐虫抵抗性トマトを開発

新育種技術(NBT)
サトウキビにおけるゲノム編集の課題
ゲノム編集作物由来の食品に対する一般市民の受容性

文献備忘録
ポケットK NO. 53:抗アレルギー遺伝子組換え作物
ISAAAビデオでGM作物の導入による有益性を提示

国際アグリバイオ事業団(ISAAA)アグリバイオ最新情報【2016年12月】
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/082400010/010900005/index.html

 毎月第2・第4木曜日に配信している日経バイオテクGreenInnovationメールに掲載している記者や専門家によるコラムを掲載します。

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