初の漢方植物ゲノム、ゲノム編集とエピゲノム育種、NGSで微生物生態学が躍進【GreenInnovation Vol.318】

(2016.10.27 10:00)
河田孝雄

 1カ月ぶりにGreenInnovationメールでお目にかかります、日経バイオテク編集の河田孝雄です。原則として第4木曜日のGreenInnovationメールを担当しております。

 今回はまず農業関連で、漢方薬の原料植物のゲノムが初めて解読されたことと、ゲノム編集ツールを用いたイメージング技術がエピゲノム育種に寄与する、という2つの話題をお届けします。

 漢方薬の原料植物で初めてゲノムが解読されたのは、カンゾウ(甘草)です。

(2016.10.24)
理研CSRSと千葉大、高知大、阪大、生薬カンゾウのゲノム解読を論文発表
武田薬品の保存植物を解析、漢方薬原料のゲノム解読は初
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/10/21/01742/?n_cid=nbpbto_mled_gr

 カンゾウはほぼ全量を、中国からの輸入に依存しているようです。ゲノム解読の成果は、カンゾウの国内での安定生産・調達にも寄与すると期待できますかね。

 ゲノム編集ツールの植物のエピゲノム育種への貢献は、東京理科大学を中心とするグループの研究成果です。

(2016.10.27)
理科大と京大、名大、徳島大、生きた植物の核内DNAを解析できるTALE-FP法
ゲノム編集ツールで植物のエピゲノム育種にも貢献
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/10/27/01768/?n_cid=nbpbto_mled_gr

 もう1つ、農業関連では、カゴメの新ビジネスも、記事にて紹介しました。

(2016.10.19)
カゴメ、通信販売で新ビジネス「農園応援」を開始
食文化と農業に関心高い消費者に農産物を物語と共に届ける
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/10/18/01714/?n_cid=nbpbto_mled_gr

 ちなみに「物語」は、新研究所の開所を今月お披露目した不二製油グループ本社でも、キーワードです。

(2016.10.21)
【機能性食品 Vol.259】
韓国CJ社433億円、ヤクルト240億円、明治165億円、キユーピー90億円、不二製油50億円
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/mag/foodmail/16/10/21/00050/?n_cid=nbpbto_mled_gr

 最後に、環境関連で、2016年10月22日から25日まで神奈川県横須賀市で開かれた日本微生物生態学会第31回大会の話題です。

 日本微生物生態学会の大会が今回、横須賀市で開かれたのは、横須賀に本部がある海洋研究開発機構(JAMSTEC)の8人の方々が、大会実行委員だったからです。大会委員長を山本啓之さん、総合プロデューサーを高井研さんが務めました。JAMSTECの本拠地である横須賀本部は、1972年に設置されました。岸壁を有し、 JAMSTECの所有する研究船の母港となっていて。地球環境観測研究や地球内部ダイナミクス研究、海洋・極限環境生物研究、海洋に関する基盤技術開発が行われているとのことです。

 意欲的なプログラム構成でして、例えば2日目(10月23日)の夜には大会事務局プレゼンツの緊急パネルディスカッション「学会って必要か? 微生物生態学会ってホントにいるけ?」が、3日目(10月24日)の朝には地球化学会プレゼンツシンポジウム「“微生物はそえるだけ”(桜木花道)」が、開催されました。600人近くが参加したようです。

 次世代DNAシーケンサー(NGS)が、微生物生態学に革新をもたらし、この学問領域は躍進を遂げていると感じました。記事に反映してまいります。

 毎月第2・第4木曜日に配信している日経バイオテクGreenInnovationメールに掲載している記者や専門家によるコラムを掲載します。

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