グリーンLEDが魚の成育促進、相模原市に移った北里大学海洋生命科学部が革新技術【GreenInnovation Vol.310】

(2016.06.23 08:00)
河田孝雄

 1カ月ぶりにGreenInnovationメールでお目にかかります、日経バイオテク編集の河田孝雄です。

 今回は、GreenInnovationといえるグリーンLEDによるイノベーションの話題をお届けします。

 北里大学海洋生命科学部教授の高橋明義さんと准教授の水澤寛太さんらが、マコガレイの稚魚に緑色LED(発光ダイオード)を4週間照射したところ、体長で1.2倍、体重で1.4倍、通常の方法に比べて成長が早まることを、神奈川県水産技術センター、スタンレー電気との共同研究で見いだしました。

 マコガレイは東京湾の主要魚種ですが、資源が減少して漁獲量が低迷しています。神奈川県では、マコガレイの稚魚を放流して育てる栽培漁業を、漁業者などが推進しています。マコガレイはヒラメに比べ、同じ大きさに育てるのに2倍の日数を要しているため、成育促進は、栽培事業の拡大にとって課題となっていました。

 北里大などの共同研究グループは、緑色LEDが成長促進に役立つ仕組みなどを解明し、2020年の「東京オリンピックに江戸前を!」を目標にして、江戸前のマコガレイ資源の早期回復を目指す取り組みを進めます。

 北里大では先に、水産研究・教育機構(水産総合研究センターに水産大学校を統合して2016年4月に発足)やスタンレー電気と共同で、ホシガレイやヒラメの成育に緑色LEDが役立つことを見いだしてきました。

[2016-4-6]
4月新発足の農水系国立研究開発法人にゲノム新組織
農研機構に次世代作物センター、水産機構に生命情報センターが誕生
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/04/06/00507/

 北里大の海洋生命科学部は岩手県大船渡市に本拠地がありましたが、2011年3月11日の大きな地震と津波の影響で、神奈川県相模原市にある北里大学の相模原キャンパスに移転しました。同学部の教育の拠点は、岩手県から神奈川県に移ったのです。大船渡の施設も、2年ほど前から研修などに活用なさっているとのことです。

[2013-3-7]
北里大学海洋生命科学部、岩手県の大船渡津波伝承館にミニ水族館を設置
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20130307/166688/

[2012-12-6]
JSTの復興マッチング促進第2回、三陸の養殖業復興へ北里大の技術でフジツボ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121206/164944/

[2012-9-13]
北里大、相模原キャンパスに海洋生命科学部の新棟が竣工、20tの海水用受水槽を設置
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120913/163223/

[2012-3-14]
北里大学海洋生命科学部、相模原キャンパスのアクアリウムラボで「三陸の春」企画展示、新江ノ島水族館と連動
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120314/160063/

[2011-9-28]
理研オミックスと北里大海洋生命科学部が水生生物ゲノムで学術交流協定を締結、9月28日に調印
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20110930/155702/

 2020年の東京オリンピックに向けた緑色LED育成促進技術の実用化への取組み、たいへん楽しみです。

 毎月第2・第4木曜日に配信している日経バイオテクGreenInnovationメールに掲載している記者や専門家によるコラムを掲載します。

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