インターベリーα、ヒトとイヌ、消化管は泣いている、健康長寿のための医学【GreenInnovation Vol.302】

(2016.02.25 18:00)
河田孝雄

 1カ月ぶりにGreenInnovationメールでお目にかかります、日経バイオテク編集の河田孝雄です。

 先週土曜日(2016年2月20日)と日曜日(2月21日)に、日本獣医内科学アカデミー(JCVIM)がパシフィコ横浜で開催した「第12回日本獣医内科学アカデミー学術大会」を取材しました。

 ペットの治療薬や検査キット、腸内環境、オキシトシンなどの発表などを聴きまして、昨日1つ、記事まとめました。

[2016-2-24]
産総研とホクサン、イチゴIFNがイヌ皮膚炎を改善
「インターベリー」販促にDSファーマがイヌPOC
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/02/24/00271/

 「ヒトとイヌがネアンデルタール人を絶滅させた」という翻訳本(原書房発行)の紹介があり、さっそく読んでみました。朝日新聞の2016年1月10日の書評で話題になっていると、書籍の帯に書いてあります。

http://www.harashobo.co.jp/new/shinkan.cgi?mode=2&isbn=05259-2

 第1章は「わたしたちは『侵入』した」です。

 「侵入生物が生態系を改変し、種を絶滅させ、多様性を縮小させ、深刻な問題となっていることは科学界ではほぼ例外なく認められているが、侵入生物のカタログには明らかな漏れがある」と始まりまして、「Homo sapiens」がカタログに掲載されていないと指摘し、「現生人類は生物史上最も侵入的な生物」と主張しています。

 第2章「出発」では、米政府の「外来種」の規定や米大統領令の「侵入種」の定義などを紹介した後で、「侵入種、つまり非在来種を理論的に定義することは簡単だが、実際に侵入種かどうかを判断するのは難しい」などと記載しています。

 1カ月前のこのメールで、1月22日に経済産業省別館で行われた「中央環境審議会自然環境部会遺伝子組換え生物等専門委員会」の話題をお届けしましたが、外来生物法やカルタヘナ法との関連で、この書籍の内容はとても参考になりますね。

[2016-1-28]
中央環境審議会自然環境部会遺伝子組換え生物等専門委員会がカルタヘナ法検討
【GreenInnovation Vol.300】
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/mag/greenmail/16/01/28/00001/

 JCVIM学術大会では、腸内環境やオキシトシンの話もおもしろかったです。

 獣医の学会では、イヌやネコなどの疾病の紹介では、まずヒトで分かっていることを紹介し、次いで「動物に外挿すると……」と続きます。おもしろいですよね。人間の世界で利用されるものの安全性試験では、動物実験の結果を外挿するのですが、方向性が逆なのです。もちろん、実験動物の利用をできるだけ減らす、という取り組みは大切です。

 腸内環境についても、ヒトで臨床研究されている「糞便微生物移植」などの状況の紹介がありまして、次いで、イヌでは、と説明が続きました。ネコのデータはまだまだ少ないとのことで、ほとんどイヌのデータでした。

 腸内環境については、2月13日に東京・品川で開催された「天然アスタキサンチンで先制医療に挑む!」というテーマの「『アスタリール』シンポジウム2016」でも、おもしろい話題提供がありました。

 京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学准教授の内藤裕二さんが、パネルディスカッション「糖尿病、筋肉及び腸と脳との相関」で、内藤さんの著書「消化管(おなか)は泣いています-腸内フローラが体を変える、脳を活かす-」(ダイヤモンド社、2016年1月15日発行)も紹介しました。分かりやすく最新の知見まで盛り込んでいることに驚きました。文中で紹介した医学・科学論文のリストが、巻末の参考文献に掲載されていますが、その数は138報。2015年秋の論文まで収載されています。

 この話題は、弊社が発行している「日経メディカル」のONLINE版の「記者の眼」で今週、紹介しました。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/eye/201602/545898.html

 井村裕夫さん著の岩波新書「健康長寿のための医学」(2016年2月19日発行)でも、第2章「高齢社会で問題となる疾患、NCD」において、腸内環境と関係が深いマイクロビオームの最新の成果が紹介されていました。環境とマイクロビオームの分野はこれからますます、重要になっていきそうです。

https://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn1602/sin_k870.html

 農業分野では、中国企業によるスイスSyngenta社の買収の記事もご覧ください。

[2016-2-6]
ChemChina社、Syngenta社を430億ドルで買収へ
中国市場での展開に重点を置く
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/02/06/00173/

                    日経BP社
                    日経バイオテク編集
                    河田孝雄

 毎月第2・第4木曜日に配信している日経バイオテクGreenInnovationメールに掲載している記者や専門家によるコラムを掲載します。

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