印刷する

閉じる

【機能性食品 Vol.364】

内閣府SIP第2期で睡眠やマイクロバイオーム、農研機構の山本万里氏が率いる

機能性関与成分にアサヒの10-HOA、「体脂肪が多め」トクホはサントリーが花王に続く
(2019.01.11 11:30)
河田孝雄

 2018年12月21日以来、3週間ぶりのメール配信です。

 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

 まずは、昨年末に決定しました内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期の12プラグラムのうちの1つ「スマートバイオ産業・農業基盤技術」の話題です。

(2018.12.19)
内閣府SIP第2期「スマートバイオ」の参画機関が決定
研究代表者12人のうち6人が農研機構の所属
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/18/12/19/05124/?n_cid=nbpbto_mled_fd

 上記の記事でも紹介しましたし皆さんご承知のことかと思いますが、このスマートバイオの4つの研究開発課題のうちの1つめである「(A)健康寿命の延伸を図る『食』を通じた新たな健康システムの確立」は、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)食農ビジネス推進センター長の山本万里さんが、研究責任者を務めます。

(2018.4.4)
農研機構の食農ビジネス推進センター長に山本万里氏
「ビジネスマッチング等の業務に精励」
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/18/04/03/04078/?n_cid=nbpbto_mled_fd

 この課題では、睡眠の質や自律神経の変化、腸内マイクロバイオームなどに着目した「農林水産物・食品健康情報統合データベース」を開発する、とのことです。

 筑波大学発ベンチャーのS’UIMINや、日本マイクロバイオームコンソーシアムも参画します。

 次に、定例の保健機能食品のアップデイトです。

 機能性表示食品はこの3週間では、合計47件の届出情報が公開されたかと思います。

 2018年12月21日(金)に17件(届出番号はD266からD282まで、以下同じ)、12月26日(水)に15件(D283からD297)、12月28日(金)に7件(D298からD304) 、そして年が明けてから1月9日(水)に8件(D305からD312)の届出情報を、消費者庁が公開しました。

 この中に、新規な機能性関与成分は2つ、あるようです。

 1つめは、BIO ACTIVES JAPAN(東京・豊島)が届け出を行ったサプリメント「FB3 エフビースリー」(D274)の機能性関与成分「フォルスコリン」。「体脂肪率を減少させるのを助ける機能」を表示します。

 フォルスコリンは、インド原産で古くから食用とされてきたコレウス・フォルスコリに含まれるジテルペン成分です。

 2つめは、アサヒ飲料の飲料「『カラダカルピス』500」(D278)の機能性関与医成分「乳酸菌CP1563株由来の10ーヒドロキシオクタデカン酸(10-HOA)」。「体脂肪を減らす機能があるので、肥満気味の方に適する」旨を表示します。

 10-HDAは、脂肪酸分解に関わる転写因子PPARαの増加(活性化)を指標にスクリーニングされた関与成分です。

 関連する日経バイオテクONLINEの記事リストを紹介します。ご覧ください。

(2018.8.6)
リポート
プロバイオティクス菌株の力自慢比較
市場拡大で健康機能の訴求強化、菌株ごとのエビデンス蓄積に新展開
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/082400017/080200036/

(2017.3.3)
【機能性食品 Vol.277】
体脂肪対策の「カラダカルピス」4月発売、アサヒ飲料は炭酸も届け出
つくば機能植物イノベーション研究センターのキックオフに160人超
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/mag/foodmail/17/03/03/00078/

(2012.10.12)
京都の肥満学会に1200人、カルピスが乳酸菌CP1563株を口頭発表、森乳がアロエを3件連続発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121012/163742/

(2012.6.14)
カルピスと京大農、PPARαを活性化する乳酸菌CP1563株は菌体破砕で脂質代謝改善作用を発揮
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120614/161561/

 一方、特定保健用食品(トクホ)は、2019年1月8日に1品目、1月10日に1品目が表示許可になり、合計1061品目(許可1060品目+承認1品目)になりました

 このうち、1月10日に表示許可のサントリー食品インターナショナルの茶系飲料「特茶 ほうじ茶」は、表示内容についての新規性に気が付いたので、紹介します。

 関与成分は「ケルセチン配糖体(イソクエルシトリンとして)」で、10品目です(全てサントリーです)。関与成分は新規ではないのですが、許可表示の文言が新しいです。

 「本品は、脂肪分解酵素を活性化させるケルセチン配糖体の働きにより、体脂肪を減らすのを助けるので、体脂肪が多めの方に適している」旨です。

 9品目までの従来の許可表示の最後の文言は、「体脂肪が気になる方に適している」旨でした。

 検索しましたところ、「体脂肪が多めの方に適した」旨のトクホ許可表示は、2018年9月3日に許可された花王の「ヘルシア烏龍茶」と「ヘルシア紅茶 ホット」が初めてのようです。

 「体脂肪が多めの方に適した」旨のトクホ表示については、2018年12月5日、「消費者委員会新開発食品調査部会における特定保健用食品の審議手続きに関する確認事項」の一部が改正されました。

 「体脂肪が気になる」という表示は、この単独表示だと、体脂肪が「多め」なのか、「少なめ」なのかの区別が分かりませんでした。

 「体脂肪を減らすのを助ける」や「肥満が気になる方に適する」などの併記があれば、分かるともいえますが。前者の「減らすのを助ける」が35品目、後者の「肥満」は21品目あるようです。

 高齢化社会が進む中で、体脂肪が少なすぎる方も増えていますので、今回の制度運用の変更は、好ましいのでは、と思います。

 血圧対策トクホでは、「血圧が高めの方に」というトクホ表示が最初から認められていました。「血圧が低めの方に」というトクホは存在しません。血圧高めの方向けのトクホは現在、103品目あります。

 なお、先に「体脂肪が気になる方に適している」旨の表示を認められている製品は、消費者庁が消費者委員会に諮問するというトクホの標準的な手続きは省略され、消費者庁でトクホ制度を担当する消費者庁食品表示企画課が確認して許可手続きが進められます。

 販売中、または近く販売を予定しているものに限られます。

 また、既存のトクホと同一の商品名で申請する場合は、新たな申請が許可され次第、既存品の特定保健用食品の許可にかかる失効届を提出することになります。

 「体脂肪」を許可表示に含むトクホは、トクホ全体1061品目のうち、111品目を占めます。これらは全て、体脂肪が多めの方向けです。順次、「気になる方」が「多めの方」に表示文言が切り替わっていきます。

 また、トクホと同じく特別用途食品の1つである病者用食品でも、新たな表示許可を2019年1月8日に消費者庁が発表しました。

 亀田製菓の低たんぱく質食品「ゆめ 1/5」(許可番号:第30007号)で、「本品はたんぱく質の摂取制限を必要とする腎疾患等に適した食品」という旨を表示する製品です。
 食品の機能性研究の成果を表示する制度としては、機能性表示食品やトクホが有名ですが、高齢化などで疾病を持つ方が増えている現代の社会動向からは、病者用食品の制度の重要性も増しています。

 病者用食品を含む特別用途食品の許可発表は今回が、2018年度としては4回目です(トクホは除く)。これまでの許可案件を改めて紹介しますね。バイオテクノロジーが貢献すべき大きな課題である“元気な赤ちゃん”を支援する製品も含まれます。

※2018年12月14日

申請者:雪印ビーンスターク
区分:乳児用調製粉乳
商品名「ビーンスターク すこやかエム1」
表示内容「母乳は赤ちゃんに最良の栄養です。ビーンスタークすこやかは、母乳が足りないときや与えられないときに母乳の代わりにお使いいただくために作られたミルクです」許可番号:第30006号

※2018年10月22日

ニュートリー
えん下困難者用食品(許可区分I)
「プロッカ ゼットエヌ( Zn )」
「本品は、えん下困難者に適したゼリー食品です」
第30003号は「いちご」、第30004号は「ゆず」、第30005号は「コーヒー」

※2018年8月6日

バイオテックジャパン
許可基準型病者用食品(低たんぱく質食品)「1/25 越後ごはん」
「本品はたんぱく質の摂取制限を必要とする腎疾患等の方に適した食品です」
第30001号。第30002号は「1/25 プチ越後ごはん」