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 まずは、定例の保健機能食品のアップデイト情報です。

 機能性表示食品は先週金曜日(2018年9月28日)に6件 (届出番号:D113からD118)、今週水曜日(10月3日)に4件(D119からD122)の届け出受理を、消費者庁が公表しました。新規性の特に高い届け出は無いようです。

 一方、特定保健用食品(トクホ)は、2018年10月4日に消費者庁が消費者委員会に2品目諮問しました。トクホの諮問はほぼ3カ月ぶり。今回も新規性はありません。

 今回の諮問2品目は、サントリー食品インターナショナルの「体脂肪が多めの方の食生活の改善に役立つ」ケルセチン配糖体を関与成分とする茶飲料と、花王の「体脂肪が多めの方に適する」茶カテキンの清涼飲料です。

 前者のケルセチン配糖体は9品目(申請者は全てサントリー)、後者の茶カテキンは44品目(そのうち花王が28、伊藤園が16)あります。なお、伊藤園は、体脂肪対策とコレステロール対策の2つのヘルスクレームの商品が主流です。

 5年前の2013年7月にトクホ表示許可を取得したケルセチン配糖体配合のトクホ清涼飲料「大人ダカラ」を、サントリーは2018年9月25日に発売しました。トクホ申請が行われたことが分かった2010年10月から、何度も報道していますので、少し懐かしい感じがします。

 いま同社のウェブサイトにて上記を確認しましたところ、果汁系炭酸飲料で日本初という、機能性表示食品「スーパーC.C.レモン」(届出番号:C423、届出日:2018年3月8日)を、10月16日から発売すると10月4日に発表していました。「クエン酸は継続的な飲用で日常生活の疲労感を軽減することが報告されています」と表示します。

 1本350mL(希望小売価格:150円+税)に含まれるクエン酸の量は、2700mg(2.7g)。現行の「C.C.レモン500mL」に比べ1本当たりの含有量が約3倍です。1本中に、レモン50個分のビタミンCを含むことは変わらない、とのことです。

 さて、今回のメールでは、食品の機能性研究でも注目度が高まっているエピジェネティクス・エピゲノムの話題もお届けします。

 ヒトを含む真核生物では、ゲノムDNAは染色体の中に折りたたまれて存在していて、ゲノムDNAにコードされている遺伝子の発現は、高度に制御されています。

 ゲノムDNAはヒストン蛋白質と結合してヌクレオソームと呼ばれる構造体を形成し、このヌクレオソームが数珠状に連なった状態で染色体に収納されています。

 このヌクレオソーム中でヒストンに巻きついたDNAが、RNAポリメラーゼによって読み取られ、転写されることにより、遺伝情報が発現します。この読み取りの仕組みは、生命科学上の謎でした。

 その仕組みの一端が、2017年にノーベル賞を受賞したクライオ電子顕微鏡で解明されました。東京大学と理化学研究所のグループが10月5日にScience誌にて成果を発表しました。

 生体内酵素反応による立体構造の変化を、多段階にわたって観察できたのは、これが初めてとのこと。技術革新は目覚ましいですね。

 今週はノーベル賞ウィークで、本庶佑さんの生理学・医学賞の受賞決定の話題持ちきりですが、2018年9月には、ラスカー賞基礎医学研究部門(Albert Lasker Basic Medical Research Award)の受賞対象が、ヒストン修飾と遺伝子発現で、Rockefeller大学のC.David Allis氏と、UCLAのMichael Grunstein氏に決まりました。

 ただいまこの関連の特集記事とりまとめを進めております。

(2018.10.5)
東大と理研、RNAポリメラーゼが染色体DNAを読み取る仕組みを解明
クライオ電顕で解析した成果をScience誌にて発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/18/10/05/04803/

(2018.10.4)
ノーベル賞受賞決定の本庶佑氏のhインデックスは122
Clarivate Analytics社がResearcherIDのデータ更新
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/18/10/03/04800/

(2018.10.2)
ノーベル賞受賞決定の本庶佑氏の論文被引用数
被引用数の最も多い論文は塩基置換ゲノム編集に使用のAID
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/18/10/02/04791/