【機能性食品 Vol.351】

スマート水産業で農水省予算要求、完全養殖マグロ事業拡大

2020東京五輪とイルカショー
(2018.09.14 10:30)
河田孝雄
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 まずは、定例の保健機能食品のアップデイト情報です。

 機能性表示食品は、先週金曜日(2018年9月7日)に10件(届出番号:D69からD79)、今週水曜日(9月12日)に7件(同:D80からD86)の届出情報を消費者庁が公表しました。

 新たな機能性関与成分などは無かったかと思います。

 今回の機能性メールでは、水産業まわりの話題をお届けします。

 農林水産省のバイオ関連予算の2019年度要求の記事をとりまとめまています。“スマート農業”の予算増強や、“スマート水産業”の新規予算が目立ちます。

 ここでいう「スマート」とは「ICT」や「ロボット・AI・IoT等」と同義なのですが、スマートには育種も含まれていて、育種のスマートといえば、ゲノム編集です。

 いきあたりばったりだった育種を、標的遺伝子に狙いを定めてピンポイントに育種できるから、スマートです。

 2019年度予算要求では、2018年度予算で強化した「スマート農業」に続き、畜産業、食品産業、林業、水産業についてもスマートの要求を盛り込みました。

 中でも注目は水産業です。自然界から獲ってくる従来型の水産業は、資源の枯渇に結びつきやすく、消費者などの理解も得にくくなっているようです。

 完全養殖マグロの輸出をマルハニチロや極洋が強化していますが、生態系に配慮した水産物であることが消費者の理解を得やすいようです。

 養殖するからには、できるだけ優れた特性を持つ系統・品種の確立が重要になります。選抜育種では、近畿大学のマダイの例が知られています。

 技術革新により、特定の遺伝子に着目したピンポイントのゲノム育種が可能になってきました。事業化に向けた取り組みに注目してまいります。

 2020年の東京オリンピック/パラリンピックでは、来日なさる外国の方々へのおもてなしの一環で、和食も注目されています。和食の健康機能に関する研究も、地中海食に比べると2周遅れぐらいかと思いますが、活発になってきました。

 9月11日に神奈川県藤沢市の新江ノ島水族館で行われたイルカショーの報道を見まして、国際大会ではいろいろと考慮しなければいけないことが多々あるのだと思いました。

 セーリングのワールドカップ(W杯)江の島大会」の開会式で、イルカショーを披露したところ、不快な思いをした方が多くいたとのことです。外国では、野生のイルカやクジラを保護する動きが広まっており、イルカをジャンプさせるなどの演出が、問題視されました。

 どのような魚を食を含む日常生活に取り入れるのが好ましいのかは、国や地域、さらには個人によって大部受け止め方が違うようです。

 人間の食生活は、動物や植物、微生物などの命をいただかないと成立しません。

 食材としての魚介類は、自然界からの収奪でなく、養殖するという需要が確実に高まっていくと思います。哺乳類のクジラは養殖はたいへんそうですが。

 原則毎週金曜日に配信している日経バイオテク機能性食品メールに掲載している記者によるコラムを掲載します。

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