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 当方は日本生物工学会の第70回大会が開催されている大阪におります。

(2018.9.6)
日本生物工学会大会、19年ぶりの関西大学で開幕
停電の影響で懇親会会場を変更、トピックス集を公開
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/18/09/06/04683/

 台風21号の直撃で関西の一部地域の停電が続く中で、昨日(2018年9月6日)3時過ぎに起こった最大震度7の「平成30年北海道胆振東部地震」により、一時は全道が停電になってしまいました。関西国際空港と、新千歳空港はじめ道内の空港などにも深刻な影響が出ていて心配です。

 そんな中まずは、定例の保健機能食品のアップデイト情報です。

 特定保健用食品(トクホ)は、花王の2品目が2018年9月3日に表示許可されました。茶系飲料の「ヘルシア烏龍茶」と「ヘルシア紅茶 ホット」。関与成分は「茶カテキン」で、許可表示は「本品は、脂肪の分解と消費に働く酵素の活性を高める茶カテキンを豊富に含んでおり、脂肪を代謝する力を高め、エネルギーとして脂肪を消費し、体脂肪を減らすのを助けるので、体脂肪が多めの方に適している」という旨です。

 これで花王のトクホは38品目になりました。このうち28品目は関与成分が茶カテキン。順次、上記のトクホ表示にアップデイトしています。

 花王は、日本ポリフェノール学会の賛助会員です。同学会のウェブサイトには、ネスレ日本と伊藤園、花王の3社が掲載されています。

 今日(9月7日)から2日間、JR京都駅前のメルパルクj京都にて、第23回日本フードファクター学会学術集会/第12回日本ポリフェノール学会学術集会/第15回日本カテキン学会年次学術集会が開催されます。注目の合同大会ですね。

 トクホの総数は1053品目です。表示許可が1052品目で、輸入品が対象の表示承認が1品目です。

 一方、機能性表示食品はこの1週間では、今週月曜日(9月3日)に6件(届出番号はD56からD61まで)、次いで水曜日(9月5日)に7件(D62からD68まで)が公表されました。

 このうち届出番号が「D57」であるファンケルのサプリメント「尿酸サポート」は、機能性関与成分と表示する機能性の両面で新規性が高いので、記事にまとめました。機能性関与成分名は「アンペロプシン・キトサン」です。

(2018.9.7)
ファンケル、機能性表示食品「尿酸サポート」を届け出アンペロプシンとキトサンが高めの尿酸値を下げる
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/18/09/06/04692/

 さて、関西大で開催の生物工学会は科学プログラムはほぼ予定通りに実施されています。

 昨日(9月6日)の講演の中から、アサヒビール研究開発本部酒類技術研究所技術第二部主任研究員の浅野静さんの受賞講演を紹介します。

 「ビール醸造における微生物検査法の迅速化に関する研究」で、第51回生物工学奨励賞(江田賞)を受賞なさいました。

 加熱殺菌していない“生ビール”が主流という意味で、日本は世界で珍しい国とのこと。加熱殺菌していないビールをおいしく味わうことができるのは、「ビール醸造における微生物検査法」の技術進歩が大きく寄与していることを知りました。

 かつて80年代から90年代にはビール混濁性菌に起因する品質管理の事故が、日本のビールメーカーのどちらかで合計何回か起こったとのこと。事故が起こったときは原因菌の分類が良く分からず、後から菌株の名称が確立されたケースもあったようです。

 単離同定の技術進歩により、2000年以降はビール混濁性菌の新菌種が増えてきたとのことです。

 ビール内で馴化されるに連れて、元の菌株と性質が変わっていくことも、検査を難しくする原因になっているとのこと。重要な菌種を同定できる検査法として、マイクロコロニーFISH法の紹介がありました。ここまでは少し前の成果のようです。

 比較的新しい方法として、マルチプレックスPCR法やMALDI TOF-MSなどの紹介もありました。それぞれ特徴、一長一短的なことがあるようでした。

 詳しくは、日本生物工学会の学会誌にて発表されます。掲載は年内くらいのようです。

 生物工学会では、ゲノム編集や次世代DNAシーケンサー(NGS)などの注目発表が相次いでいます。追って報道して参ります。

 食品成分の分析技術の進歩では、日経バイオテク2018年8月27日号にて、福島大学准教授の平修さんに寄稿していただきました。福島大学が2019年4月に開設することが決まった農学群は、国立大学の新しい農学部としては久しぶりとのこと。ほぼ半世紀ぶりとは、驚きでした。

○日経バイオテク2018年8月27日号
バイオイメージング最前線(第31回)
イメージングMSとNano-PALDI
平 修=福島大学食農学類食品科学コース准教授
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/082300013/082200019/

(2018.9.6)
福島大、国立大学で半世紀ぶりの農学部開設
運営費交付金の重点支援評価は2年連続トップ
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/18/09/06/04682/