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 機能性表示食品については、この1週間では、2018年6月8日(金)に1件(届出番号:D3)、6月13日(水)に3件 (届出番号:D4、D5、D6)の合計4件を、消費者庁が機能性表示食品の届出情報を公表しました。有効な機能性表示食品の届け出は1330件程度になったかと思います。新しい機能性関与成分の届け出は、今回は特には無いようです。2018年度のDシリーズから届け出対象に加わった、難消化性オリゴ糖などの登場を楽しみにしております。

 今回のメールでは、日経バイオテク2018年6月11日号に掲載した「機能性食材研究」連載の第54回で取り上げたソラマメ(空豆)の話題をお届けします。

 ソラマメに、L-DOPA(L-ジヒドロキシフェニルアラニン)が多く含まれていることを、今回知りました。いろいろな分析値があるのですが、およそ100g中に100mg前後程度のようです。

 L-DOPAは、神経伝達物質の前駆体となるアミノ酸で、パーキンソン病の治療薬として長く用いられています。パーキンソン病の患者を対象とした試験で、ソラマメの種子摂取がL-DOPA薬剤の投与と同程度の効果があったとする論文を トルコIstanbul UniversityのCerrahpassa医学部のH.Apaydin氏らが2000年に発表しました。

 このL-DOPAの含有量が、ソラマメを新芽(スプラウト)にすると増えるようです。

 静岡県立大学食品栄養科学部教授の熊澤茂則さんらは、フランスEurofins社グループのユーロフィン・エコプロリサーチ(静岡市清水区、エコプロ・リサーチから2017年6月に社名変更)との共同研究により、ソラマメ新芽の成分を分析し、抗酸化活性が強い成分としてL-DOPAを見いだした成果を2016年に論文発表しました(J Food Sci. 2016 Jun;81(6):C1394-8.)。

 定量NMRの分析により、ソラマメ新芽には100g中にL-DOPAが550mg含まれていたのことです。2014年からソラマメ新芽を「そらまめ豆苗」という商品名で販売している三和農林(埼玉県蓮田市)の商品を分析しました。

 熊澤さんらは、DPPH法やORAC法という手法で測定する抗酸化活性において、ソラマメ新芽がソラマメ種子や、他の野菜(ダイコン、ブロッコリー、赤キャベツ)の新芽に比べて、数倍の活性を持つことを見いだし、ポリフェノール成分であるケンフェロール配糖体を単離して5種類の構造決定を行いました。抗酸化活性はこれらケンフェロール配糖体よりも、L-DOPAの方が高かったとのことです。

 三和農林は、エンドウマメの新芽である通常の豆苗に比べ、そらまめ豆苗は栄養価が高い点を訴求しています。

 静岡県立大出身の鹿児島大学農水産獣医学域農学系農学部講師の加治屋勝子さんには、ソラマメの機能性成分の研究を進めているとうかがいました。

 月1回のペースで日経バイオテクに連載しています機能性食材研究の次回では、ウニ(雲丹)を取り上げる予定です。