【機能性食品 Vol.331】

日本水産の分析法の説明に注目、ω3トクホが関与成分不足

2018年度新体制、農研機構の久間理事長らがメッセージ
(2018.04.13 08:30)
河田孝雄
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 まずは、恒例の保健機能食品のアップデイト情報です。

 この1週間では、機能性表示食品のアップデイトが4月6日(金)に2件(届出番号は、C407とC408)、4月11日(水)に2件(C409、C410)ありました。これにより、有効な機能性表示食品の届け出は1284件程度になったように思います。「程度」というのは、新たに撤回になったものを網羅的に検索するのが難しいと感じているからです。人工知能(AI)を利用したシステムを構築すれば、簡単なことのような気もしますが。

 この情報はルーティンですが、4月9日に重大な発表を、消費者庁が行いました。

※平成29年度特定保健用食品及び機能性表示食品に関する検証事業(買上調査)の結果を公表しました

http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/about_foods_with_function_claims/pdf/about_foods_with_function_claims_180409_0001.pdf

 詳しくはリンク先をご覧いただくとして、日本水産(ニッスイ)の特定保健用食品(トクホ)については、興味津々です。

 何故、このトクホの関与成分であるω3脂肪酸(EPAとDHA)が足りなかったのかを、早急に(目安は1カ月以内のようです)説明するように、消費者庁はニッスイに要請しています。

 興味津々の理由を説明します。

 まずは、ニッスイは、トクホや機能性表示食品の制度アップデイトにおいて、代表する企業です。

 次に、ニッスイは、持田製薬の医薬品「エパデール」に原料を供給しているので、品質管理のレベルは高いと想定できます。一時は、持田製薬の売上高の半分を、エパデールが占めていました。

 ニッスイは、分析法の違いが、今回の関与成分不足の原因と説明しているようです。

 確かに、エパデールは、EPAエチルエステルですので、トクホの関与成分である「EPAやDHAを含む中性脂肪(トリアシルグリセロール)」とは異なります。

 中性脂肪は、グリセロールに3つ、脂肪酸が結合したものなので、この3つのうちいくつ、ω3脂肪酸が結合しているか、という分析上の課題を想定できます。 中性脂肪は、グリセロールに3つ、脂肪酸がエステル結合したものなので、この3つのうちいくつ、ω3脂肪酸が結合しているか、という分析上の課題を想定できます。3つのうち1つが親水性のリン酸アニオンになったリン脂質に含まれるω3脂肪酸もありますね。このリン脂質の場合、グリセロールにエステル結合する脂肪酸は2つになるかと思います。

 この件は、ニッスイの説明を反映して再度、報道します。

 さて、今回のメールでは、2018年4月1日から始まった2018年度の新体制についてお届けします。農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)の理事長に、初めて民間出身の方が就任しました。

 関連記事は以下の通りです。

(2018.4.6)
農研機構の理事に民間出身者が3人就任
理事長は三菱電機、理事は三菱ケミカルと住友化学
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/18/04/06/04092/

(2018.4.4)
農研機構の食農ビジネス推進センター長に山本万里氏
「ビジネスマッチング等の業務に精励」
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/18/04/03/04078/

 注目すべき人事ですので、久間理事長と、山本センター長のメッセージをお届けします。

※農研機構の久間和生理事長がウェブサイトで発表したメッセージ

国民に貢献する農研機構を目指して

 農業を取り巻く経済・社会環境は今、大きく変わりつつあります。まず農作物や食品の市場については、我が国では人口減少と超高齢化が急速に進むことから、国内市場の大幅な縮小と地方の衰退が懸念されています。一方、世界では、2050年には世界人口が現在の76億人から1.3倍の98億人に増加すると予測されており、食の需要拡大、海外市場の大幅な拡大が見込まれます。戦略的に輸出を増やす大きなビジネスチャンスとなっています。

 また技術面では、情報化(ICT化)とデジタル化が飛躍的に進展し、人、モノ、資金、情報、文化が国境を越えて駆け巡り、これまでに経験したことのない経済社会の構造の変化が進行し、大きな歴史的転換期を迎えています。

※農研機構の山本(前田)万里センター長のメッセージ

 「農研機構」では、2018年度から農業・食品分野で科学技術イノベーションを創出し、(1)国民に安全・高品質な農産物・食料を安定供給すること、(2)農業を強い産業として育成し、海外市場で農産物・食料のマーケットシェアを伸ばし、政府の経済成長政策に貢献することを目標として研究を推進します。

 得られた研究成果は迅速な社会実装や成果の最大化が求められており、食農ビジネス推進センターでは、食農ビジネスの創出に向けたシーズ情報提供によるビジネスマッチング、マーケットイン型プロジェクトメイキング、プロダクトアウト型成果移転等を一体的に行う活動をしています。

 今後、食農ビジネス推進センターでは、消費者、農業生産団体、食品企業、流通企業などあらゆるステークホルダーとの関わりを持ち、持続可能な開発目標を目指して国民の豊かな生活の提供のための活動を強力に進めて行きますので、引き続き、食農ビジネス推進センターのご活用、ご支援、ご協力のほど、よろしくお願いします。

 原則毎週金曜日に配信している日経バイオテク機能性食品メールに掲載している記者によるコラムを掲載します。

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