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 今日は、第59回日本植物生理学会の取材などで、札幌に来ております。昨日(2018年3月29日)の北海道新聞の夕刊の一面は、2030年度末開業予定の北海道新幹線の札幌駅のホーム位置が決まったことと、ベンチャー企業のインターステラテクノロジズが2018年4月28日に十勝管内大樹町にて民間単独では日本初となる宇宙空間へのロケット発射に再挑戦する、という話題です。

 日本ハムファイターズが、2020年に着工する500億円投資の新球場の建設場所を「きたひろしま総合運動公園」予定地に決定したという発表は一昨日でした。夢のある話題が続いていますね。
 まずは、恒例の保健機能食品のアップデイト情報です。

 この1週間では、アップデイトは1回。少なかったです。3月27日(火)に、機能性表示食品2件(届出番号:C403とC404)の届け出受理を消費者庁が公表しました。届出者はカネハツ食品(名古屋市南区)と、宇治田原製茶場(京都府綴喜郡宇治田原町)。カネハツは初めての届け出です。宇治田原は7件目です。

 これにより、有効な機能性表示食品の届け出は1278件程度になったように思います。

 さて、今回のメールは、「定量」と「定性」の話題をお届けします。2017年度が明日(3月31日)で終了し、2018年度が明後日(4月1日)から始まることに合わせた話題です。

 前者の「定量」は、科学の世界ではとても重要かと思います。昨日午後の日本植物生理学会年会のシンポジウム「オートファジーとユビキチンシグナルによる細胞機能制御」で6番目に登壇なさった東京工業大学の大隅良典さんも、「定量化が大切だが難しい課題」とお話しでした。大隅さんの演題名は「酵母からの教え-細胞内リサイクリングシステム」でした。

 その「定量」から始まる新組織「定量生命科学研究所」が2018年4月、東京大学に誕生します。

(2018.3.28)
東大が定量生命科学研究所を設置、初代所長は白髭克彦氏
研究不正事案を踏まえ分生研を抜本的改組
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/18/03/27/04050/

 「定量(Quantitative)」を組織名に含む研究組織としては、理化学研究所が2011年4月に発足させた生命システム研究センター(Quantitative Biology Center;QBiC)が代表かと思います。日本語の組織名には「定量」はありませんけれど。

 改めて引き算してみると、小保方晴子さんらがNature誌にSTAP論文を発表した2014年1月末の2年10カ月ほど前のことでした。

 後者の「定性」は、遺伝子組換え食品の表示法を改訂する方針が決まったことに伴い、国立医薬品食品衛生研究所が2018年4月以降から開発を始める新検出法が、定性分析であることを意味しています。その意味については、次の記事に記載しました。

(2018.3.15)
消費者庁、「組換えでない」任意表示の条件を「5%以下」から「不検出」に引き下げ
対応に必要な新検出法を国立衛研が2018年度に開発へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/18/03/14/03997/

 検討会の報告書は、3月28日に消費者庁がウェブサイトにて公表しました。

※消費者庁○遺伝子組換え表示制度に関する検討会報告書の公表について
http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/other/review_meeting_010/

 説明会は、4月19日(木)と4月20日(金)に東京で、4月26日(木)に大阪で開催されます。

 この検討会の委員をつとめられた名古屋大学教授の立川雅司さんに、名古屋開催の日本農芸化学会大会の会期中にお話しをうかがうことができました。

 ゲノム編集技術の社会実装に向けた取組みでも、立川さんは重要な取り組みを進めています。

(2018.3.27)
名大の立川教授ら、ゲノム編集の認識で消費者と研究者に大きな相違
科研費とJSTのOPERAで実施した調査結果を論文発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/18/03/27/04044/

 今週の植物生理学会開催の札幌では、ゲノム編集の規制に関して世界で活躍なさっている北海道大学安全衛生本部教授の石井哲也さんにお時間をとっていただきました。記事に反映して参ります。

 石井さんは、名古屋大学農学部農芸化学科の出身で、雪印乳業(現、雪印メグミルク)の札幌研究所などにいらしたことがあります。石井さんは02年に雪印から科学技術振興機構(JST、当時は科学技術振興事業団)に異動なさいました。雪印の大樹工場における停電事故が原因で起こってしまった食中毒事故が起こったのは、2000年夏のことでした。

 その大樹で来月、観測ロケット「MOMO(モモ)」2号機を打ち上げるインターステラテクノロジズ代表の稲川貴大さんの講演もうかがったことがあります。

 最後に、最近読んだゲノム編集関連の最新の注目書籍と、石井さんの著書2冊を紹介します。

○小林雅一さん著書
「ゲノム編集からはじまる新世界 超先端バイオ技術がヒトとビジネスを変える」(朝日新聞出版)2018/3/20発行

○石井哲也さん著書2冊
「ゲノム編集を問う――作物からヒトまで」(岩波新書)2017/7/21発行

「ヒトの遺伝子改変はどこまで許されるのか ゲノム編集の光と影」(イースト新書Q)2017/1/8発行