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 今回は、この1週間で、機能性表示食品で興味深い届け出があったことを紹介します。

 その前に、特定保健用食品(トクホ)のアップデイト。2018年2月22日に1品目の表示許可がありまして、トクホの総数は1080品目となりました。表示許可が1079品目と、輸入品が対象の表示承認が1品目です。

 今回の許可1品目は、イオントップバリュの茶系飲料「国産茶葉使用食物繊維入り烏龍茶」。関与成分は「難消化性デキストリン(食物繊維として)」で、「食物繊維(難消化性デキストリン)の働きにより、糖の吸収をおだやかにするので、食後の血糖値が気になる方に適する」旨の表示許可を取得しました。

 イオンのトクホはこれが5品目。消費者庁のデータベースによると、4品目までは販売中とのこと。5品目も近く販売開始になるのではと思います。トクホの関与成分は、5品目全て難消化性デキストリンです。

 一方、同社の機能性表示食品は14件で、そのうち機能性関与成分が難消化性デキストリンのものは5件。同社が他に採用している機能性関与成分は、γアミノ酪酸(GABA)が5件、EPA・DHAが2件、葛の花由来イソフラボンが1件、大豆イソフラボンが1件です。

 なお、関与成分が難消化性デキストリンのトクホは、381品目のようです。トクホ全体1080品目のうちの35%強を占めますね。

 機能性表示食品では、この1週間で4件、新たな届け出受理が公表されました。

 消費者庁のデータベースにて、2018年2月16日(金)に2件(届出番号:C375とC376)、2月21日(水)に2件((届出番号:C377とC378)が追加されました。これで有効な機能性表示食品の届け出は1254件程度になったかと思います。

 この中で今回紹介するのは、2月16日に公表されたハウスウェルネスフーズの500mL入り飲料「C1000 GREEN LEMONADE」(届出番号:C376、届出日:2017年12月26日)と、2月21日に公表された花王の粉末飲料「ヘルシア 茶カテキンの力 緑茶風味」(C378、2017年12月27日)です。

 ハウスの機能性表示食品は、今回の「C1000グリーンレモネード」が初めて。販売開始予定日は「2018年3月19日」と記載されています。

 安全性評価の資料には、この商品は2014年から日本で販売し、4000万本の販売実績があるとのこと。「クエン酸は、継続摂取により日常生活や運動後の疲労感を軽減することが報告されている」旨の機能性表示食品の表示を加えた商品へのリニューアルを進めるということですね。

 クエン酸を機能性関与成分とする機能性表示食品の有効な届け出は、ハウスのC1000が8件目(合計9件ですが、そのうち1件はポッカサッポロフード&ビバレッジが2017年6月7日に撤回しました)。

 ハウスは、機能性の科学的根拠を示す研究レビューを自社で実施したとのこと。そこで、クエン酸を機能性関与成分とする機能性表示食品に先鞭をつけたキリンビバレッジの資料と比較してみます。キリンは「キリン サプリ レモン」(A290、2016年3月29日)と「キリン サプリ ブラッドオレンジ」(B493、2017年1月31日)の2件、届け出を出しています。ただし、2件とも機能性関与成分は2成分あります。クエン酸の他に、前者はテアニン、後者はモノグルコシルヘスペリジンを、機能性関与成分としています。

 それぞれ「テアニンは、心理的負荷のかかる事務作業により発生する一時的なストレスを軽減することが報告されている」「モノグルコシルヘスペリジンは、周囲が冷える時に健やかな血流(末梢血流)を保ち、保温(末梢体温)を維持することが報告されている」旨を表示しているかと思います。

 さて、クエン酸の話題です。日経バイオテク2018年1月15日号に掲載した機能性食材研究の連載第49回「ウメ(梅)」でも、クエン酸についてまとめました

(2018.1.15)
機能性食材研究(第49回)
ウメ(梅)
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/082300007/011100022/

 機能性表示食品の届出資料のうち、作用機序に関する説明資料について、ハウスとキリンを比べてみます。

 ハウスは「クエン酸は活動後のグリコーゲン合成によるエネルギー源の生成及び活動時の糖新生による血糖値の低下抑制により、疲労感を低減させると考えられる」と説明し、参考文献は3件を挙げました。日本疲労学会の抗疲労臨床評価ガイドライン(第5版)と、論文が2報です。

 キリンは「クエン酸は、肝臓中のグリコーゲン合成を促進させることにより血糖値が維持され、疲労軽減作用を示すと推定されている」と説明し、参考文献として論文4報を挙げました。

 両社で共通する参考文献は、次の1報です。

Enhanced glycogen repletion in liver and skeletal muscle with citrate orally fed after exhaustive treadmill running and swimming.

Saitoh S, Yoshitake Y, Suzuki M.
J Nutr Sci Vitaminol (Tokyo). 1983 Feb;29(1):45-52.

 上記の書誌情報はPubMedのものですが、キリンの資料では筆頭著者の名字が「Saito」と記載されてました。

 次は、花王の「ヘルシア」です。

 花王が水で溶かして飲む粉末飲料「ヘルシア 茶カテキンの力 緑茶風味」を、機能性表示食品として届け出をしました(C378、2017年12月27日)。

 ヘルシアは、花王のトクホの巨大ブランドです。花王のトクホ58品目のうち、54品目はヘルシアシリーズです。

 花王の機能性表示食品の届出受理公表は、これが2件目。販売開始予定日は「2018年3月1日」と記載されていますが、販売開始予定などは未公表です。楽しみですね。

 花王は、2017年10月公表の機能性表示食品の1件目についても、まだ販売開始予定などを発表していません。

(2017.10.27)
【機能性食品 Vol.309】
花王の初の機能性表示食品は、歩行能力維持スフィンゴミエリンの「リファイン」
生物科学研究所のオープンアクセス論文4報、作用機序資料は充実の26ページ
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/mag/foodmail/17/10/27/00123/

 安全性評価の資料には、1日1本、茶カテキン540mgを含むヘルシア緑茶シリーズは、03年5月より製造・販売され、2017年4月までの14年間に約14億本販売されている、とあります。

 花王は、ヘルシアシリーズの希望小売価格を2018年1月1日出荷開始分から改定し、350mL入りの緑茶などの場合は、それまでの180円を160円へと、20円値下げました。2018年1月11日に参考資料として発表したニュースリリースによると、ヘルシアシリーズ全体だと、03年5月から2017年4月までの累計集荷本数が25億本を突破したとのことです。

 14億本を金額に換算すると、1本180円では2520億円です(1本160円だと2240億円)。25億本は、4500億円。2017年4月までで4500億円なので、それから10カ月が経過した現在ではざっくりといえば、5000億円。巨大ブランドなのです。

 機能性関与成分の「茶カテキン」に関する機能性表示食品の表示は「茶カテキンには、肥満気味の方の内臓脂肪を減らす機能があることが報告されている。内臓脂肪が気になる方に適している」旨です。

 ヘルシア緑茶などのトクホ許可表示は最新のもので「脂肪の分解と消費に働く酵素の活性を高める茶カテキンを豊富に含んでおり、脂肪を代謝する力を高め、エネルギーとして脂肪を消費し、体脂肪を減らすのを助けるので、体脂肪が気になる方に適している」旨です。「内臓脂肪」という文言はありません。

 ヘルシアシリーズの中で「内臓脂肪」と表示する機能性表示食品が、トクホなどとの連携でどのような健康機能訴求に寄与してくのか、今後の事業展開が楽しみです。

 関連する2週間前のメールもご覧ください。

(2018.2.9)
【機能性食品 Vol.322】
キリンが体脂肪機能性表示のホップ炭酸飲料、花王が体脂肪と血圧のWトクホコーヒー
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/mag/foodmail/18/02/09/00136/