【機能性食品 Vol.314】

1万人集まる神戸ConBio2017で東京女子医大が「サイレントエストロゲン」のハナビラタケ

機能性表示食品に認知対策の鶏プラズマローゲン
(2017.12.08 13:00)
河田孝雄
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 今日は、水曜日から開催されているConBio2017の取材で神戸にいます。食品の機能性研究の成果発表も多数あります。神戸では今晩から第23回神戸ルミナリエが始まります。実施期間は12月17日(日)までの10日間です。1995年1月17日に発生した兵庫県南部地震による阪神・淡路大震災から23年が経過するのですね。

 まずは「機能性表示食品制度届出データベース 届出情報の更新」です。この1週間で更新があったのは12月6日(水)のみでした。届出受理が公表された最終の届出番号は「C262」。この1週間で4件増えました。撤回が増えていなければ、有効な届け出件数の総数は、1142件になったと計算できます。

 新規の関与成分として、鶏由来プラズマローゲンが登場しました。「鶏由来プラズマローゲンには健常な中高年の方の加齢に伴い低下する認知機能の一部である、言葉、位置情報、状況などの情報の記憶力を維持する機能がある」という旨の機能性表示食品の表示を、サプリメント「プラズマローゲンEX」について行います。

 届出番号は「C260」、届出日は「2017年10月11日」です。届出者は、ピーソリューション(東京・新宿)です。機能性の資料作成日が「2016年10月13日」ですので、1年がかりで届け出が受理されたことが分かります。

 同社の機能性表示食品はこれが初めて。1日目安量2粒中に、0.5mgの鶏由来プラズマローゲンを含みます。同じ商品名の製品を同社は既に販売しています。公開されている安全性評価の資料に、同成分を1粒に0.5mg含む「プラズマローゲンES」を74万粒以上、1粒に0.25mg含む「プラズマローゲンEX」を112万粒以上、2015年7月から2016年9月までに販売した実績がある、と記載されています。

 また、機能性表示食品の販売開始予定日は「2017年12月17日」とあります。

 日経バイオテクONLINEにて、プラズマローゲンの記事を検索すると、05年5月の記事がヒットしました。

 農林水産省が「地域食料産業等再生のための研究開発等支援事業」のうち、「食品産業と生産者の連携強化」の採択課題を決定した、という記事からの抜粋を以下に示します。

 レオロジー機能食品研究所は梅田事務所、南薩食鳥、帯広畜産大学畜産学部と共同で、廃鶏中抜き屠体より分離した表皮部から、抗アレルギー機能を有するヒト型スフィンゴミエリンおよび抗痴呆性が示唆されるプラズマローゲン等を含む機能性複合脂質画分を大量生産する技術を確立し、これを利用した新規機能性食品を開発する。

 次に、神戸のConBio2017で発表された食品の機能性研究の一部を、少し紹介します。

 東京女子医科大学循環器小児科の中西敏雄教授らが「ハナビラタケ有効成分の探索と利用:エストロゲン様活性の解析と評価」と題したポスター発表を12月7日にしました。発表を締め切った後で追加登録されたる「Late-breaking abstract」の演題です。

 産業技術総合研究所が確立したDNAマイクロアレイ使用のホルモン活性測定法を用いて、ハナビラタケ抽出物を検定したところ、エストロゲンに似た遺伝子や蛋白質への影響が認められたけれども、エストロゲン様の細胞増殖活性は認められなかったことから、従来のエストロゲン作用とは異なる新しいメカニズムによることを見いだしました。ConBio2017では、このメカニズムについて詳しい発表がありました。脂質代謝改善作用などが期待できるようです。

 発表の連名は、証券業務向けディーリングシステムなどを事業化しているインタートレード(東京・中央)と、九州産業大学生命科学部教授の木山亮一さんらです。

 インタートレードは、6年ほど前からハナビラタケを事業化し、3年ほど前から東京女子医大と共同研究を実施しているとのこと。先に全長34Mbのハナビラタケの全ゲノム配列を決定し、国立遺伝学研究所のDDBJに登録しました。東京女子医大や産総研と産学官連携の「IT-はなびらたけプロジェクト」を実施しています。

 ハナビラタケは、1997年に埼玉県立熊谷農業高校教諭の福島隆一さんらが人工栽培を確立して大量生産が可能になり、βグルカンを高含有することを東京薬科大学名誉教授の宿前利郎さんらが見いだし、機能性キノコとして話題になったことを思い出しました。その後、ユニチカが事業化しました。

 インタートレードは、山梨県で栽培したハナビラタケを原料としたサプリメントや化粧品などを販売し、ハナビラタケの原料販売やOEMも行っています。ハナビラタケ成分の上記の作用を「サイレントエストロゲン」と呼んでいます。

 日本スーパーフード協会の「ジャパニーズスーパーフード」の第1号に認定されたのを受け、「ITはなびらたけ」という名前を付けたとのことです。同協会は、世界が認めた日本の伝統食品を、発酵食品、茶類、海藻類、伝統自然食品の4つに分類し、国内外に告知する活動を進めています。

 原則毎週金曜日に配信している日経バイオテク機能性食品メールに掲載している記者によるコラムを掲載します。

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