【機能性食品 Vol.300】

ネスレ日本が機能性表示食品第1号、便通を改善するグアーガム

富士フイルムが12件中7件目の販売開始、血圧高め対策とストレス緩和のGABA
(2017.08.25 08:00)
河田孝雄
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 昨日(2017年8月24日)は、京都大学で開催の日本進化学会第19回大会を取材しました。テーマは「なぜ多くの生物種が存在するのか?-種多様性をうみだす進化・生態過程をさぐる-」です。

 千葉県柏市にある東京大学大学院新領域創成科学研究科教授の河村正二さんと、愛知県犬山市にある京都大学霊長類研究所ゲノム細胞研究部門ゲノム進化分野准教授の今井啓雄さんが企画したシンポジウム「S4:比較ゲノムから幹細胞人類学へ:ヒト表現型進化のゲノム基盤解明に向けた新たな取り組み」もとてもおもしろかったです。記事に反映して参ります。

 恒例の機能性表示食品のアップデイトを報告します。ここ1週間では8月23日(水)と8月24日(木)に更新されまして、2017年度のCシリーズは146件と、この1週間で16件増えました。機能性関与成分の新規は無いもようです。

 初年度の2015年度に届け出されたAシリーズは、届出番号としては、「A1」から「A310」までの310件があります。そのうち撤回は28件を確認しています。差し引き、有効な届け出件数は282件と計算できます。

 2年目の2016年度に届け出されたBシリーズは、届出番号としては、「B1」から「B620」までの620件があります。そのうち撤回は7件を確認しています。差し引き、現時点で有効な届け出件数は613件と計算できます。

 Aシリーズ282件、Bシリーズ613件、Cシリーズ146件の合計は、1041件と計算できます。
 今回のメールでは、注目企業の機能性表示食品の販売開始についてまとめます。

 ネスレ日本は、同社が届け出た機能性表示食品の第1号である「BOOST 毎日腸活」(届出番号:C10、届出日:2017年4月7日)を2017年9月25日に発売すると、8月23日に発表しました。

 機能性関与成分は「グアーガム分解物(食物繊維)」。「腸に届き、排便回数・排便量を増やし便通を改善することが報告されている」旨を表示します。

 グアーガム分解物は、太陽化学が国際展開している素材として有名です。これを機能性関与成分とする機能性表示食品は、6件の届け出が受理されています(届出番号は、B388、B410、B602、C10、C11)。

 消費者庁長官が表示を認める特定保健用食品(トクホ)は2品目あり、そのうち1品目は販売されています(少なくとも2016年9月下旬時点では販売)。

 年商10兆円を超える世界最大のスイスNestle社が、日本における食品の機能性表示制度をどのように活用していくか、に注目しています。

 ネスレ日本は、ネスレグローバルの科学的根拠に基づき開発したワンショットサプリメント飲料「BOOST」の4種を9月25日に全国発売し、一般向け栄養補助食品市場に本格参入します。

 これまでの医療・介護施設での実績を活かし、ミドルエイジ以降の世代のより活動的な生活をサポートし、“アクティブ寿命”の延伸を目指す、としています。

 日本では新発売の「BOOST」のブランドは、1995年に米国で医療機関向け栄養補助食品として生まれました。米国では2015年は年3億5000万円以上が飲用されたとのこと、日本での一般向けの販売価格である1本270円(税別)で概算すると、およそ年1000億円規模と計算できます。

 日本におけるBOOSTの商標は、グラクソ グループ リミテッドが1997年2月24日に登録しました。グラクソから栄養補助食品事業を08年に買収したネスレ日本は、それからこの9年間で、日本における栄養補助食品事業の売り上げを2倍に増やしました。

 これまでは医療・介護施設向けだけでしたら、今回、一般消費者向け市場に参入します。海外のNestleでは、栄養補助食品の売上高は、一般向けが医療向けを上回っているところも多いとのことです。

 一方、富士フイルムは、機能性表示食品「GABA」の販売を8月18日に開始しました。「GABAは、血圧が高めの方の血圧を下げる機能と、事務的作業による一時的な心理的ストレスを緩和する機能があることが報告されている」旨を、表示しています。「サトウキビ由来の原料を乳酸菌により発酵して作った」GABAを配合していると、パンフレットに記載があります。ファーマフーズの素材では、と思います。

 富士フイルムの届け出受理は12件あり、そのうちGABAは7番目の販売開始です。

 発売順に、以下に紹介します。機能性関与成分名が分かりにくい商品の機能性関与成分は全て、サラシア由来サラシノールです。

「メタバリアスリム」(A91)2015年12月11日リニューアル発売
「飲む食べる私のサプリ」(A96)2016年3月3日発売
「イチョウ葉エキス」(B115)2017年2月10日発売
「メタバリアS」(B218)2017年3月9日
「メタバリア 葛の花イソフラボン」(B229)2017年4月10日
「EPA&DHA」(B254)2017年6月1日発売
「GABA」(C10)2017年8月18日発売

 ネスレ日本の8月23日の発表会場は、六本木駅が最寄の東京ミッドタウンのタワー棟でした。富士フイルムの本社ビルも東京ミッドタウンにあります。GABAなどの売り場の写真を掲載しますね。

 ネスレ日本と富士フイルムは、現在は両社とも、トクホ制度を全く活用していません。

 トクホ制度を活用し尽くしているともいえる花王やサントリーとの事業戦略の比較を、記事に取りまとめて参ります。

 サントリーは、2017年5月に「サントリー グルコサミンアクティブ」(届出番号:B290、届出日:2016年11月2日)の通信販売を開始したものの、年400億規模のセサミンシリーズでは届け出した機能性表示を活用していません。

 富士フイルムとサントリーは、サプリメントや化粧品の通信販売事業における競争に興味津々です。

 今回のメールでは最後に、埼玉県勢が初めて優勝した夏の甲子園(第99回全国高等学校野球選手権大会)のスコアも記録させていただきます。当方は埼玉出身です。

 優勝した花咲徳栄の得点は、甲子園が6試合で61点、埼玉県予選が7試合で69点。合計すると13試合で130点なので、1試合当たりちょうど10点でした。すさまじい打撃力でした。
8月23日○花咲徳栄14-4広陵
8月22日○花咲徳栄9-6東海大菅生
8月20日○花咲徳栄10-1盛岡大附
8月19日○花咲徳栄10-4前橋育英
8月16日○花咲徳栄9-3日本航空石川
8月10日○花咲徳栄9-0開星

※埼玉大会
7月27日○花咲徳栄5-2浦和学院
7月24日○花咲徳栄11-1山村学園
7月23日○花咲徳栄9-1ふじみ野
7月21日○花咲徳栄5-1浦和実
7月17日○花咲徳栄8-2武蔵越生
7月15日○花咲徳栄20-1大宮南
7月11日○花咲徳栄11-1越谷総合技術

 昨日の日本進化学会では、ゲノム情報は不変なまま生物の能力を高めるエピジェネティクス・エピゲノムに関連する発表がたくさんありました。

 「エピゲノムを比較しても、ものすごい量のゴミを出してしまうだけ」という指摘もありました。

 高校生の運動能力が高まっているのは、訓練のたまものによるエピジェネティックな進化といえるかと思います。

 夏の甲子園は来年、第100回を迎えます。

 猛暑が厳しくなり、ゲリラ豪雨が増え、熱中症対策の強化も必要という状況があり、現在の方式のまま、夏の甲子園を運営していくことは困難かと思いますが、夏の風物詩といえる甲子園をぜひ続けてもらいたいものです。

 元気な赤ちゃん、次世代を担う若者に想いを馳せます。
 ゲノム編集によるエンハンスメントの可否も含め、注目して参ります。

 原則毎週金曜日に配信している日経バイオテク機能性食品メールに掲載している記者によるコラムを掲載します。

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