【機能性食品 Vol.297】

アントシアニン研究会、ペット栄養学会、うな丼の未来V

機能性表示食品の有効届け出件数は今日にも1000超え
(2017.07.28 08:00)
河田孝雄
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 まずは、機能性表示食品のアップデイトから。この1週間での更新は、7月24日(月)と7月26日(水)、7月27日(木)の3回でした。2017年度のCシリーズは15件増えて99件になりました。

 これで機能性表示食品の届け出件数の合計は、997件になったかと思います。初年度である2015年度の届け出を意味する「Aシリーズ」が282件(310件から撤回の28件を差し引き)、2年目の2016年度の届け出を意味する「Bシリーズ」の616件(620件から撤回の4件を差し引き)、それに2017年度の「Cシリーズ」99件の合計です。

 単純に検索すると「1026件」と表示されますが、撤回分を差し引くため、まだ1000件に達していません。撤回は、Aシリーズで28件、Bシリーズで4件あるので、合計32件。1026件から32件を差し引くと、994件と計算できますよね。

 そこでクイズです。この計算結果の994件と、先に当方で算出結果として示した997件との差である“3件”とは何でしょうか。

 すぐに答えを書きますが、撤回した32件のうち3件は、そもそも機能性表示食品のデータベース(DB)に登録されていないのです。それは何故でしょうか。

 実は、届出日が2016年4月が過ぎて、AシリーズにBシリーズが加わるようになってから、消費者庁は現在の検索しやすいDBに移行しました。そのときに、法人番号の登録がマストになったのです。撤回していない登録案件については全て、法人番号が登録されましたが、撤回した案件の中に、法人番号を登録していないものがあり、それはいまだに、DBに登録されていないのです。分かりにくい説明ですみません。

 機能性表示食品が「1000件を超えた」と話した講演を最近、立て続けに聞きましたものですから、上記のようにしつこく説明してみました。有効件数が1000件を超えたら、改めてニュースなどでお知らせします。といいましても、あと3件ですので、今日(7月28日)に消費者庁が更新したら、必ず超えるかと思います。

 さて次は、ここ1週間の取材での話題をお届けします。

 今週水曜日(2017年7月26日)午後は、東京ビックサイト(東京・江東)で開催された第6回日本アントシアニン研究会を取材しました。

○アントシアニン研究会のウェブサイト
http://jsantho.com/

 研究会プログラム第1部の「機能性評価査定会議、評価対象成分:ビルベリーエキス」では、機能性評価は「B」としてよいのでは、という意見にまとまりました。

 評価委員をつとめた4人のうち、食の安全安心財団理事長の唐木英明さんが座長を務め、他の3人が評価結果についてコメントしました。他の3人の評価委員は、東京大学大学院特任教授の加藤久典さん、城西大学教授の日比野康英さん、それにお茶の水女子大学学長の室伏きみ子さんです。

 B評価は、「機能性について肯定的な根拠がある(Probable)」という評価です。

 5年前の消費者庁の「食品の機能性評価モデル事業」では、ビルベリーは、「視力回復、眼精疲労改善」の機能についてC評価だったのですが、その後、5年間の取り組みでエビデンスを積み重ね、B評価相当にステップアップしました。

 同モデル事業における6段階評価の意味は次の通りです。

※消費者庁のモデル事業における評価の意味
A:「機能性について明確で十分な根拠がある(Convincing)」
B:「機能性について肯定的な根拠がある(Probable)」
C:「機能性について示唆的な根拠がある(Possible)」
D:「機能性について示唆的な根拠が少数ながら存在するが不十分」
E:「ヒトでの効果確認例がなく、根拠レベルの評価不能」
F:「機能性について否定的な根拠がある、あるいは、根拠情報と見なせるものがほとんどない」
 アントシアニン研究会は、このエビデンス向上を目標に据えて、2012年10月に発足しました。ここ5年近くの同研究会の取り組みが、一定の果実を得たといえそうです。

(2012.04.25)
食品の機能性評価モデル事業の結果を消費者庁が発表、ヒアルロン酸とビルベリーはパネル評価C以下のみ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120425/160765/

(2012.09.25)
年500億円超のアントシアニンの研究会が10月2日設立、11月17日に第1回研究会
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120925/163377/

 次の話題は、日本ペット栄養学会です。

○日本ペット栄養学会のウェブサイト

 この日曜日(7月23日)に東京大学農学部弥生講堂(東京・文京)で開催された日本ペット栄養学会第19回(20周年記念)大会には、150人ほどが参加したかと思います。会場での様子から当方では推定しました。

 経済効果が2兆3000億円を超えるという「ネコノミクス」をキーワードとするシンポジウムも、開催されてとてもおもしろかったです。最近まとめたペット関連記事もご覧ください。

(2017.07.20)
アサヒグループHDがLー92乳酸菌でペット市場に再参入
プロバイオティクスと乳酸菌代謝産物で攻勢
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/17/07/20/02978/

(2017.07.19)
ペットの体脂肪対策に千葉大ベンチャーのプロバイオティクスN11株
中部飼料の子会社スマックがイヌ用サプリを発売
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/17/07/18/02971/

 農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課愛玩動物用飼料対策班課長補佐の古川明さんの来賓のあいさつをうかがい、日本ペット栄養学会への農水省の期待を、ひしひしと感じました。

 最後の話題は、同じ弥生講堂で先週土曜日(7月22日)にて、東アジア鰻学会が開催した公開シンポジウム「うな丼の未来V:行政はウナギを救えるか」です。300人ほど集まったもようです。

 水産庁増殖推進部長の保科正樹さんの講演「資源管理の対策について」や、ニホンウナギの完全養殖に向けた研究で世界をリードしている水産研究・教育機構の増養殖研究所ウナギ種苗量産研究センター量産基盤グループグループ長の田中秀樹さんの講演「ウナギ種苗の商業化に向けた大量生産システム実証の取り組み」などで、最新の動向をうかがいました。

 大好物の鰻は、今週火曜日(7月25日)の土用の丑の日にも、楽しみました。

 資源の枯渇がとても気掛かりです。ウナギ関連の以下の記事及びメールもご覧ください。

(2015.07.17)
日経バイオテク7月13日号「機能性食材研究」(第19回)、ウナギ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20150717/186327/

(2017.07.27)
【GreenInnovation Vol.336】
「ヒアリ」と「カルタ」、「土用の丑の日」と「絶滅危惧種」
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/mag/greenmail/17/07/26/00057/

 最後にもう1つ、絶滅危惧種(レッドリスト)関連では、今が旬のジュンサイの記事も今月、とりまとめました。ご覧いただけるとうれしいです。

(2017.07.10)
機能性食材研究(43回)
ジュンサイ
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/082300007/070600011/

 原則毎週金曜日に配信している日経バイオテク機能性食品メールに掲載している記者によるコラムを掲載します。

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