【機能性食品 Vol.293】

「フランケンシュタインの誘惑 ビタミン×戦争×森鴎外」

ゲノム編集学会第2回大会に450人、DNA不使用育種の成果も相次ぐ
(2017.06.30 07:24)
河田孝雄
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 まずは、機能性表示食品のアップデイトから。この1週間での更新は、6月26日(月)と6月28日(水)の2回でした。1週間前の5回に比べ、少なかったです。

 2017年度のCシリーズは6件増えて45件になりました。

 これで機能性表示食品の届け出件数の合計は、初年度である2015年度の届け出を意味する「Aシリーズ」が282件(310件から撤回の28件を差し引き)、2年目の2016年度の届け出を意味する「Bシリーズ」の619件(撤回の1件を差し引き)との合計で、946件になったかと思います。

 取材の方では今週、水曜日(6月28日)から3日間、大阪で開催の日本ゲノム編集学会の第2回大会を取材しています。

 参加者は2日目終了時点で450人。昨年9月の第1回大会の参加者320人に比べ、100人以上増えています。一昨日に当方がまとめた以下の記事では、「400人を見込む」と記載していましたが、それを50人上回りました。第3回は、来年6月に広島で開催されます。

※日経バイオテクONLINE記事
(2017.06.29)
日本ゲノム編集学会、第2回大会は大阪に400人見込み
アステラス、武田、日ハム、モンサント、ロンザなど19社が賛助会員
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/17/06/28/02896/

 3日目は、午前中に、口頭発表の植物セッションで、トマトやジャガイモ、イチゴ、麹菌などの成果が発表されます。午後には「倫理規制セッション」が行われます。

 このゲノム編集学会では、DNAを使用せずに、ゲノム編集で育種する成果の発表も目立ちます。

 DNAを使用しなければ、従来型の遺伝子組換え作物などとは異なる扱いになりうる、という狙いがあります。さらには、第2世代のゲノム編集ツールであるTALENや、日本独自のPPRを用いれは、RNAをも含まない、蛋白質のみの育種も行えます。

 これらの成果は順次、報じて参ります。

 これらの技術を用いて育種した外来遺伝子を持たない「ヌルセグレガント(null segregant)」ですと、たとえば輸入するときなどの水際検査にて、識別することは困難です。

 消費者庁の検討会で議論が進められている食品表示との関係も深いです。

※日経バイオテクONLINE記事
(2017.06.21)
「まっとうな努力が報われる制度を」と日本生協連の二村部長
消費者庁の第2回遺伝子組換え食品表示検討会に傍聴者150人
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/17/06/21/02862/

 7月10日午後に、弊社(最寄駅:地下鉄の白金高輪駅)にて「日経バイオテク プロフェッショナルセミナー ゲノム編集が生み出す新ビジネス―物質生産、品種改良から創薬までー」を開催します。

http://www.nikkeibp.co.jp/seminar/atcl/med/170710/

 このセミナーにてご講演いただく京都大学の木下政人さんや、神戸大学の西田敬二さん(バイオパレット)、九州大学の中村崇裕さん(エディットフォース)それぞれのグループの成果発表も、ゲノム編集学会にて拝聴・拝見しております。

 この他の機能性食品の話題として、吉野家が7月3日10時から、血糖値対策の機能性素材であるサラシアを配合した「サラシア牛丼」の販売を、全国の店舗で販売開始することをお伝えします。

 吉野家秘伝の牛丼のタレに、「サラシア由来サラシノール」を加え、従来の牛丼と変わらない味に仕上げた、とのことです。

 吉野家は、今年3月6日から、外食チェーンとして初めてとなる機能性表示食品である「サラシア入り牛丼の具」(届出番号:B269、届出日:2016年10月25日)を吉野家公式通販ショップで販売開始しました。

 今回発売する「サラシア牛丼」は、機能性表示食品の届け出が受理されたものとは品名が異なるようですが、ぜひ味わってみたいと思います。価格は並盛が1食480円とのこと。

 森永乳業のシールド乳酸菌入りの豚汁を吉野家で食べたのは、今年初めごろだったと、記憶しています。

 もう1つ、話題を提供します。6月29日22時から、NHK-BS1の番組「フランケンシュタインの誘惑」を、大阪の宿泊先にて視聴しました。

 今回のテーマは「ビタミン×戦争×森鴎外」。

 東京大学教授の佐々木敏さん(大学院医学系研究科公共健康医学専攻疫学保健学講座社会予防疫学分野)と、大阪大学教授の仲野徹さん(大学院生命機能研究科・時空生物学および医学系研究科病理病態学)が登場なさっていて、とてもおもしろかったです。

 先月(2017年5月)に沖縄コンベンションセンターで開かれた日本栄養・食糧学会の第71回大会のシンポジウムにて、佐々木さんの講演をうかがい、東京大学での講義に佐々木さんが用いている公開資料を参照しているところでした。

 来月に再放送もあるようなので、見逃した方は、ぜひご覧ください。

 原則毎週金曜日に配信している日経バイオテク機能性食品メールに掲載している記者によるコラムを掲載します。

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