【機能性食品 Vol.291】

神戸の第21回腸内細菌学会に430人超、Florida大医学部のChristian Jobin氏が講演

BB536機能性表示18件の森乳が2018年1月に品川で100周年記念国際シンポ
(2017.06.16 10:00)
河田孝雄
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 まずは機能性表示食品のアップデイトから。この1週間では2017年6月9日(金)と6月13日(火)の2回更新がありまして、2017年度のCシリーズが5件増えて25件になりました。

 機能性関与成分で目立った新規のものはないかと思います。

 これで機能性表示食品の届け出件数の合計は、初年度である2015年度の届け出を意味する「Aシリーズ」が282件(310件から撤回の28件を差し引き)、2年目の2016年度の届け出を意味する「Bシリーズ」の619件(撤回の1件を差し引き)との合計で、926件になったのでは、と思います。

 今週の機能性表示食品の関連記事のメーンは、健康食品産業協議会の話題です。機能性関与成分にオリゴ糖や植物エキスを加えることができる消費者庁の届け出ガイドラインの更新に向けた取り組みが進んでいます。「2017年度中に」と消費者庁では話していますが、早い実現を期待しております。

(2017.06.14)
健康食品産業協議会の会長に味の素の木村毅取締役が復帰
「ポリシー団体」として行政に提言へ、分科会を4つ立ち上げ
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/17/06/13/02831/

 こちら昨日(6月15日)と今日(6月16日)、神戸市で開催の第21回腸内細菌学会を取材しております。メインテーマは「腸内細菌の機能研究とオミックス研究の融合-Host-microbiota relationshipの解明ー」で、大会長はビオフェルミン製薬常務取締役研究開発本部長の山村秀樹さんがおつとめです。

 定員380人ほどという3階のホール会場は初日朝から満杯でして、9階のサテライト会場が準備されています。初日で430人を超える参加者登録があったとのことです。

 初日には、Florida大医学部教授のChristian Jobinさんが「The complex impact of intestinal microbiota in cancer」と題する海外特別講演を行いました。

 Cancer Research誌にて5月15日に論文発表した内容についても紹介なさいました。

Locoregional Effects of Microbiota in a Preclinical Model of Colon Carcinogenesis.
Tomkovich S, Yang Y, Winglee K, Gauthier J, Muhlbauer M, Sun X, Mohamadzadeh M, Liu X, Martin P, Wang GP, Oswald E, Fodor AA, Jobin C.
Cancer Res. 2017 May 15;77(10):2620-2632.

 病原性大腸菌IHE3034株などが生産する強い変異原性物質であるcolibactinの説明では、PKS(ポリケタイド合成酵素)やNRPS(リボソームを使わずペプチド合成酵素でペプチドを合成する反応)という説明もあり、以下の記事との関連もあるのだと思いました。

(2017.02.07)
東大の尾仲教授ら、放線菌の天然ペプチド骨格を高効率設計
遺伝子の転写翻訳から翻訳後修飾まで試験管内で再構成
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/17/02/06/02264/

(2016.03.28)
日経バイオテク2016年3月28日号「特集」
ゲノム時代の天然物創薬
休眠ゲノム資源を深掘り、代謝産物の多様性を拡張
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/report/theme/16/03/23/00012/

(2016.03.10)
東大の菅教授と後藤助教ら、主鎖修飾ペプチドを簡便合成
酸化剤でアゾール骨格、還元剤でアゾリジン骨格と還元型アミド
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/03/10/00358/

 C. Jobinさんの海外特別講演の座長をおつとめになられた、理化学研究所の大野博司さんは、来年(2018年)に開催される第22回腸内細菌学会の大会長をおつとめとのこと。韓国における学会参加のため、6月15日のうちに韓国に向かったようです。

(2017.05.17)
理研IMSの大野博司GDら、粘膜免疫の新発見を相次ぎ論文発表
腸管の細菌取り込みでIL22BP、寄生虫の初期感染防御で肥満細胞
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/17/05/16/02703/

 この腸内細菌学会では、森永乳業が創業100周年記念国際シンポジウム「腸内細菌と健康-ビフィズス菌研究の新展開-」を2018年1月28日に品川インターシティホールで開催することも告知されました。

 森永乳業は2017年4月、順天堂大学に寄付講座の腸内フローラ研究講座を開設しました。その特任教授に着任なさった大草敏史さんも100周年記念シンポジウムにて座長をおつとめです。

(2017.03.31)
【機能性食品 Vol.281】
順天堂大の寄付講座を森永乳業が開設、ヤクルトは継続
森永製菓がビフィズス菌BB536のチョコで機能性表示を3件届け出
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/mag/foodmail/17/03/31/00084/

 合計926件の機能性表示食品のうち、機能性関与成分に「菌」という文字がある届け出は、74件あります。

 74件の内訳は、ビフィズス菌が61件、ガセリ菌が7件、乳酸菌が5件、それになんと酵母が1件です。「酵母菌」という記載をたまに見ますよね。「腸内微生物叢」の文字数を少なくするために「腸内菌叢」という記載を使うことがあります。細菌に限定せずに腸内などにいる微生物の全体像を把握することの重要性は、今回の腸内細菌学会でも多くの指摘がありました。

 ビフィズス菌61件の内訳では、江崎グリコのBifiXの29件が最多で、次いで森乳のBB536は18件です。

 ガセリ菌の7件の内訳は、雪印メグミルクが6件、アサヒ飲料が1件。乳酸菌5件の内訳は、アテリオ・バイオが3件、アサヒ飲料が2件です。

 原則毎週金曜日に配信している日経バイオテク機能性食品メールに掲載している記者によるコラムを掲載します。

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