まずは機能性表示食品のアップデイトから。この1週間では2017年5月26日(金)、5月29日(月)、5月30日(火)、6月1日(木)の4回更新があったようでして、2017年度のCシリーズが8件増えて9件となりました。
新規の届け出受理は、このメールにて毎週お伝えしておりますが、今回、届け出の撤回についても調べましたので、報告します。
5月26日に甲陽ケミカルのサプリメント2件、「グルコサミン」(届出番号:A139)と「コーヨーグルコサミン」(A147)が撤回されまして、5月29日にオハヨー乳業の「ファインフルーツ ベリー&アサイー」(A269)が撤回されました。
前者の甲陽ケミカルの2商品は、機能性関与成分名を「グルコサミン」から「グルコサミン塩酸塩」に変更したもので再度、届け出を行います。甲陽ケミカルの商品は3件が機能性表示食品として届出されましたが、これで3件とも撤回になりました。もう1件は、サプリメント「キトサン」(A178)です。
オハヨー乳業は、「生産終了」のために撤回しました。生産を終了したときは、届け出を撤回するように、と機能性表示食品の2016年3月のガイドラインに記載されています。
これで同社の機能性表示食品の有効届け出は、甲陽ケミカルと同じく、0件となりました。
さらに、この2社よりも1カ月ほど前の4月26日に、株式会社Mizkan(愛知県半田市)が届け出ていた15件が撤回されました。
事情がややこしいのですが、説明します。
現在、ミツカン(Mizkan)グループの企業の機能性表示食品の届け出で、有効なもの(撤回されていないもの)としては、Mizkan Sanmiの11件があります。
これは4月末に撤回した15件のうち、実際に販売している商品について、Mizkan Sanmiが届け出たものです。
実は、2017年3月1日、ミツカングループでは改組を行いまして、グループ会社である株式会社Mizkan Sanmi、株式会社Mizkan、株式会社Mizkan Sanmi-pro、株式会社ミツカンフレシアの4社を統合しました。存続法人は、Mizkan Sanmiで、社名をMizkanに変更したのです。
消費者庁の機能性表示食品の届け出データベース(DB)では、11件届け出をしている企業名は、Mizkan Sanmiと記載されていますが、3月以降は正しくは、Mizkanです。順次、更新されるとのことです。
旧Mizkanは、法人格が無くなりましたので、4月末に撤回されました。
この届け出DBの届出者情報で重要なのは、企業名では無く、「法人番号」です。
2017年3月1日から、それまでMizkan Sanmiの法人番号だった「7120001149272」は、Mizkanの法人番号になりました。
2017年3月1日まで存在したMizkanの法人番号は「8180001092086」でした。
さらに機能性表示食品の届け出DBが使いにくい原因として、文字の半角と全角の問題を上げておきます。「Mizkan」は半角文字、「Mizkan Sanmi」は全角で登録されているのです。ですから「Mizkan」で検索すると、「Mizkan Sanmi」はヒットしません。
機能性表示食品の届け出DBで条件を付けないで検索すると、936件という数字が出ます。936件のうち、撤回が23件ありますので、有効な届け出件数は913件です。
936件の内訳を、機能性表示食品の初年度である2015年度の届け出を意味する「Aシリーズ」、2年目の2016年度の届け出を意味する「Bシリーズ」、3年目の2017年度の届け出を意味する「Cシリーズ」とに分けてカウントすると、Aシリーズが307件、Bシリーズが620件、Cシリーズが9件です。
Aシリーズの最終届出番号は「A310」です。それなのに、DBに登録されているAシリーズが307件なのは、3件が欠番になっているからです。
その3件とは「A11」「A25」「A217」です。3件とも、撤回になっているので、有効届け出件数への影響はありません。
なぜ欠番になっているかというと、Bシリーズに移行したときから始まったDBへの登録の要件として、法人番号が必要となったが、この3件については法人番号が提出されなかったためです。
A11とA25は、カルピス(届け出当時)が届け出たものです。カルピスの改組については次の記事をご覧ください。
(2016.03.11)
【機能性食品 Vol.229】
カルピス、味の素傘下からアサヒ傘下で改組急ピッチ、凹茶と脳腸相関乳酸菌
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/mag/foodmail/16/03/11/00012/
(2016.05.27)
カルピスのアミール2件撤回で機能性表示食品の撤回は計6件に
森下仁丹、八幡物産、甲陽ケミカル、インマイライフに続く
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/05/27/00807/
A217は、インマイライフ(熊本県合志市、豊原龍太郎代表取締役)の「チアフル酵母」です。2016年2月10日付で届け出が受理され、2016年5月2日に撤回されました。
機能性関与成分名の「S-アデノシルメチオニン」が医薬品成分として知られることから、自主的に撤回届け出を出しました。「関与成分の表記法などに工夫して、再度、2016年6月末から7月初め頃に届け出を実現すべく、準備を進めている」と豊原代表取締役は2016年5月に話しましたが、届け出の受理はまだ公表されていません。
最後に、Mizkanの特定保健用食品(トクホ)での企業名についても、記録しておきます。
トクホで表示許可されているMizkanの商品は、04年から07年にかけて許可された「株式会社ミツカン」の4品目と、2017年2月22日に許可された「株式会社Mizkan」の3品目があります。
前者のミツカンの4品目(酢飲料1品目と納豆3品目)は現在では販売されていません。
後者のMizkanの3品目(納豆2品目と酢飲料1品目)については、現在販売中のものが多いとみられます。
Mizkanの3品目は2017年2月22日の許可時点では「Mizkan Sanmi」が表示許可を取得しましたが、その後、法人名が更新されました。
なおこの「Mizkan」は「Mizkan」という全角で入力されていますので、検索するときはお気をつけください。
10年前の「ミツカン」の法人番号の社名が現在どうなっているのかは未確認ですが、消費者庁のトクホ担当者によると、トレーサブルなので、当時そのままの社名で残っていても問題無い、とのことでした。
ただし、生産終了が明確になった場合には、「失効届け」を出す必要はあります。2016年秋からの見直しで、この失効届け出の提出が厳格化されたため、トクホの品目数はここ半年間、減り続けています。2017年6月2日時点では1075品目です。内訳は、国内生産品が対象の「表示許可」が1074品目、輸入品が対象の「表示承認」が1品目です。
なお、機能性表示食品では届け出の「撤回」ですが、トクホでは「失効届け」です。
2015年度から始まった機能性表示食品の制度では「法人番号」が、1991年開始のトクホ制度では「法人名」が、より重要ということのようです。