【機能性食品 Vol.282】

母乳オリゴ糖を介してビフィズス菌はヒトと共生進化

日本電子の寄付で名古屋大学に構造生物学研究部門
(2017.04.07 10:30)
河田孝雄
東京大学弥生キャンパス入口
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 こんにちは。原則として毎週金曜日に「日経バイオテク/機能性食品メール」をお届けしております日経バイオテクの河田孝雄です。

 まずは機能性表示食品のアップデイトから。この1週間では、2017年3月31日(金)と4月4日(火)、4月5日(水)に更新されまして、2016年度のBシリーズは521件になりました。初年度の2015年度の302件(撤回を除いた件数)との合計は823件になりました。

 今回は、機能性関与成分の新規な商品の届け出は無かったかと思います。先週土曜日から4月に入り、2017年度が始まりましたが、4月5日に消費者庁が公表した届け出案件の届出日は「2017/02/09」ですので、2016年度分があと7週間分近く残っています。2016年度分の届け出はまだまだ増えそうです。

 先週の機能性表示食品メールで、腸内フローラ/プロバイオティクスの寄付講座の話題もお届けしましたが、今回も腸内フローラの話題を紹介します。

 乳児の腸内フローラに特有のビフィズス菌だけが持つと考えられている酵素ラクトNビオシダーゼ(Lnb)が、母乳オリゴ糖を介してヒトと共生進化してきたらしいことが分かったということが、東京大学や京都大学、石川県立大学などの研究グループにより分かってきました。

 Lnbを持つ乳児に多いビフィズス菌2種のLnbについてX線結晶解析をしたところ、2つの酵素の立体構造が全く異なっていたのです。Lnbを持っている細菌は母乳オリゴ糖を餌にして生存・増殖できるため、Lnbを持たない腸内フローラ内の他の細菌に比べて、有利です。腸内フローラで優占種になることができるのです。

(2017.03.31)
【機能性食品 Vol.281】
順天堂大の寄付講座を森永乳業が開設、ヤクルトは継続
森永製菓がビフィズス菌BB536のチョコで機能性表示を3件届け出
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/mag/foodmail/17/03/31/00084/?n_cid=nbpbto_mled_fd

(2017.04.07)
東大と京大など、ビフィズス菌は母乳オリゴ糖を介して乳児と共生進化
母乳栄養児で優勢になる仕組みの一端を構造生命科学で解明
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/17/04/06/02558/?n_cid=nbpbto_mled_fd

 構造生命科学の解析手法が、腸内フローラの研究でも大切なことが示されました。

 最近とりまとめた構造生命科学関連の日経バイオテク記事を、以下に紹介します。2012年4月発足の名古屋大学細胞生理学研究センター(CeSPI)に2017年4月、同センター初の寄付研究部門として日本電子構造生物学研究部門が発足しました。

(2017.04.03)
名大CeSPI、日本電子の寄付による構造生物学研究部門を新設
CeSPI初代センター長の藤吉好則氏は客員教授に
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/17/03/31/02528/?n_cid=nbpbto_mled_fd

(2017.02.23)
東京大薬の嶋田一夫教授ら、変異G蛋白質の癌化機構をNMRで解明
独自開発「多量子緩和解析法」をμ秒の速い反応に適用
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/17/02/23/02349/?n_cid=nbpbto_mled_fd

(2017.02.27)
日経バイオテク特集○クライオ電子顕微鏡
難関の結晶化が不要、設備費は安い、薬剤を設計できる解像度3Å超を達成
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/082400016/022200019/?n_cid=nbpbto_mled_fd

 原則毎週金曜日に配信している日経バイオテク機能性食品メールに掲載している記者によるコラムを掲載します。

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