【機能性食品 Vol.276】

香川大が「希少糖セミナー」を文科省で開催

カゴメのダブル機能性トマトジュースは「機能性科学的根拠」資料131ページ
(2017.02.24 11:00)
河田孝雄
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 今週は、革新技術「クライオ電子顕微鏡」の特集記事に注力しました。日経バイオテク2017年2月27日号に掲載します。ご覧いただければ幸いです。

 今週の機能性食品メールは、2017年2月22日に文部科学省の「情報ひろばラウンジ」で香川大学が開催した「希少糖セミナー」と、機能性表示食品のアップデイトの中からカゴメのトマトジュース、トクホの許可10品目、の3つの話題をお届けします。

 まずは、恒例の機能性表示食品の届け出受理公表のアップデイトです。この1週間では、2017年2月21日(火)と2月23日(木)に更新があり、13件増えまして2016年度のBシリーズが421件になりました。制度の初年度である2015年度のAシリーズ302件(総数310件から、撤回の8件を差し引いた件数)と合計すると、723件になるかと思います。

 今回の注目は、カゴメのトマトジュースです。善玉コレステロールを向上するリコピンと、血圧高め対策になるGABA、それぞれについて先に機能性表示食品の届け出を行ってましたが、今回はこの両方の機能性を表示する3件の届け出を行いました。届出日は2016年12月28日です。

 3件は次の通り。機能性表示は「リコピンには血中HDL(善玉)コレステロールを増やす機能が、GABAには血圧が高めの方の血圧を下げる機能があることが報告されている。血中コレステロールが気になる方や血圧が高めの方にお勧め」という旨です。

B417「KAGOME(カゴメ)カゴメトマトジュース食塩無添加」
B418「KAGOME(カゴメ)カゴメトマトジュース低塩」
B419「KAGOME(カゴメ)カゴメトマトジュース高リコピントマト使用低塩」

 カゴメのトマトジュースおよび野菜ジュースの機能性表示食品の届け出は合計11件になりました。

 まずは、1933年に販売を開始したトマトジュース(当時の社名は愛知トマト)では、善玉コレステロールを増やすリコピンの機能性表示を2016年2月に開始しました。

 次いで、1973年に販売を開始した「カゴメ野菜ジュース」のうちの3品について“血圧が高めの方に”と訴求表示した商品を、2017年5月16日から全国で発売します。

 今度のトマトジュースでは、善玉コレステロールと血圧の2つの機能を表示できます。

 届け出には、販売開始予定日は「2017年6月13日」と記載されています。カゴメはこの件に関するニュースリリースはまだ出していません。実際の販売開始予定日などは未定とのことです。

 機能性が2つですので「機能性の科学的根拠」の届出資料は、131ページ構成の大作になりました。

 「作用機序に関する説明資料」は3ページ。参考文献は13件、記載されています。

 一方、特定保健用食品(トクホ)は、2017年2月22日に10品目が表示許可になり、累計は1159品目になりました。日本の製品に対する許可が1158品目と、海外製品に対する承認が1品目です。今回の10品目は全て「再許可等トクホ」ですので、個々の解説は不要かと思います。

 さて、今週水曜日(2月22日)の文科省の「希少糖セミナー」の話題に戻ります。

 このセミナーは、2017年1月4日から、文科省入居ビルの入り口にある2つの展示コーナーの向かって右側で、「希少糖 生産技術の確立と糖産国への挑戦」の展示がされたことと関係したものです。

(以下は、展示説明資料からの抜粋引用です)
※展示背景・概要

 希少糖とは自然界にごく微量しか存在しない単糖の総称であり、そのほとんどは生産方法もなく、研究が進んでいませんでした。香川大学を中心とした希少糖研究の発展と事業化は、研究の扉を開く鍵となる異性化酵素をもつ微生物を、1991年に何森健名誉教授らが香川大学農学部キャンパスの土壌中から発見したことから始まりました。

 “イズモリング”と名付けられた全希少糖生産戦略が構築され、希少糖の生産技術の開発が進み、希少糖含有シロップの実用化に成功して、様々な商品に使用されています。現在、世界各国(韓国、中国、アメリカ、イギリス等)で希少糖を利用した事業化が開始され始めています。香川大学が希少糖研究の第一線で、世界一の研究拠点としての優位を堅持するためには、今後の基礎研究基盤の充実が不可欠です。

 本企画では、希少糖・生産技術・用途開発に関する解説等を展示し、これまでの産学官連携の経緯・現場の現状と、糖(希少糖)産国への挑戦に向けた今後の展開についてご紹介いたします。

【主な展示物】
○実物展示
希少糖結晶
○パネル展示
希少糖紹介・生産技術解説・用途開発の大型展示パネル
産学官連携を示す展示パネル
(ここまで引用)

 セミナーではまず、香川大の国際希少糖研究教育機構長の筧善行さんがあいさつしまして、次いで香川大学名誉教授で国際希少糖研究教育機構研究顧問の何森健さんが「希少糖史とその未来」、香川大学教授で国際希少糖研究教育機構の機構長補佐を務める秋光和也さんが「交際希少糖研究教育と開発展開」と題する講演を行いました。希少糖シロップを事業化している松谷化学工業の方々も参加してました。

 筧さんは、2000年に希少糖D-プシコースの生産基盤を確立し、02年から文科省知的クラスター創生事業で希少糖が広い分野で役立つ可能性を確認し、09年に希少糖含有異性化糖が事業化され、2013年に香川県で製造販売が開始され、現在2000品目以上の商品に希少糖が利用されていることも紹介なさってました。

 記事などにとりまとめて参ります。今年発行する予定のバイオベンチャーの書籍でも、希少糖の動向についてとりまとめる予定です。

 原則毎週金曜日に配信している日経バイオテク機能性食品メールに掲載している記者によるコラムを掲載します。

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