【機能性食品 Vol.268】

「制度を世界最先端に-さらなる進化への課題と提案-」

JADMAサプリメント部会が規制改革推進会議で提案
(2016.12.22 12:00)
河田孝雄

 まずは恒例の機能性表示食品の届け出受理の公表のアップデイトから。今週は昨日の水曜日(2016年12月21日)に更新がありまして、2016年度のBシリーズが286件になりました。ここ1週間で11件増えたようです。制度の初年度である2015年度の302件(総数310件から、撤回の8件を除いた件数です)との合計では、588件になったかと思います。

 今回は、新規の機能性関与成分が1つあります。ファンケルのサプリメント「糖値サポート」(届出番号:B279、届出日:2016年10月27日)の機能性関与成分「バナバ葉由来コロソリン酸」です。

 バナバ茶は、血糖値対策の健康機能が知られていて、多くの製品が日本で販売されています。届け出された「安全性評価シート」には、「コロソリン酸を多く含むバナバ葉の喫食報告は古くから存在し、東南アジアでは約1000年前から健康維持のために健康茶として飲まれていたという伝承が残っている。フィリピンでは1987年に薬用植物の指定を受けている」旨の記載があり、ファンケルでも、「1日当たりバナバエキス60mg(コロソリン酸として0.6mg)含有した商品の販売実績がある」とのことです。

 販売開始予定日は「2017年1月25日」と「届出食品に関する基本情報」に記載されています。

 バイオテクノロジーが一番関連する「作用機序」については、次のように記載されています。コロソリン酸はトリテルベノイドの一種。GLUT4を細胞膜へ誘導する作用や、インスリン受容体のリン酸化を促進して糖の取り込みを促進する作用が報告されている。ラットの試験では、肝臓に投与した場合にフルクトースー2,6-ビスリン酸を増加させた。フルクトース-2,6-ビスリン酸は、フルクトース-1,6-ビスホスファターゼの活性を抑制し、解糖系を亢進する一方で、糖新生を抑制する、などです。

 ファンケルの機能性表示食品は、このバナバの商品が10件目です。

 このうち、最も有名なのはサプリメント「えんきん」(A7、2015年4月15日)ですね。2015年6月19日に機能性表示食品の表示に切り替えまして、2016年3月期の売上高は35億円と、2015年3月期の8億円に比べ4.3倍になりました。さらに2017年3月期は55億円を見込んでいます。

 この新表示制度の効果は、公益社団法人の日本通信販売協会(JADMA)が、2016年12月16日の内閣府規制改革推進会議において、機能性表示食品制度に関する提案を行った中でも、示されました。

 規制改革推進会議の医療・介護・保育ワーキンググループ(WG)にて、「『機能性表示食品』制度を世界最先端に-さらなる進化への課題と提案-」と題する資料を、JADMAサプリメント部会が提出しました。

 機能性表示食品制度の3つの課題として、
1)対象成分が限定されている
2)健康な人のデータしか使えない
3)届け出から公表までの期間が不透明

を挙げて、そのうち企業にとって最も困るのは、3つめと説明しました。「届け出から公表までの状況」と題した資料に15件の例を示しています。最初の届け出から公表までに要した日数が200日以上をカウントすると10件あり、そのうち300日以上が4件ですね。

 「販売戦略上、企業として許容できるのは60日以内」と指摘しています。15件のうち60日以内は3件ですね。

 最終的に消費者庁が届け出を受理する手前の段階で、消費者庁が問題点を指摘して差し戻し、企業が書類を修正して再提出する、というやりとりがあるので、提出回数が1回で済むのは稀です。この15件に限ると、提出回数は2回から8回までの範囲です。1回のやりとりで、90日近くかかるケースもあったようです。

 提案内容は次の通り。

当面不可欠な対応:「現状の見える化」と「改善の工程表の作成」
短期的な課題:運用上の問題を徹底改善
中期的な課題:届け出予備作業を外部に委託
長期的な課題:「保健機能食品制度の見直し」と「サプリメント法の制定」

 かなりの説得力がある提案では、と思うのですが、みなさんはどのようにご覧になってますか。サプリメント部会の会員は、サプリメント販売の大手9社で、各社社長の協議機関として運営されています。

 9社は、アサヒフードアンドヘルスケア、オルビス、キューサイ、協和発酵バイオ、サントリーウエルネス、新日本製薬、ファンケル、やずや、山田養蜂場で、9社合計の売上高は年4000億円規模とのこと。日本のサプリメント市場1兆2000億円の3分の1を占めるようです。

 2015年度から始まった機能性表示食品の制度は、2017年度から3年目を迎えます。限定されている機能性関与成分の対象については、一部の糖質や糖類、ヨーヤルゼリー、ハーブ等に門戸を開放するという方向性が決まりました。消費者庁の「機能性表示食品制度における機能性関与成分の取扱い等に関する検討会」がこの内容を含む報告案を、2016年内に公表する予定です。

 このような制度の進化により、世界に先鞭をつけた日本の機能性食品の研究が活発になることを願っています。

 原則毎週金曜日に配信している日経バイオテク機能性食品メールに掲載している記者によるコラムを掲載します。

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