【機能性食品 Vol.266】

おいしい健康がクックパッドから独立、内閣府SIP次世代機能性シンポに600人

キッコーマンが初の機能性表示食品、アテリオ・バイオも初、Mizkanが11件届け出
(2016.12.09 09:00)
河田孝雄
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 まずは恒例の機能性表示食品の届け出受理の公表のアップデイトから。昨日(2016年12月8日)の公表追加分までで、2016年度のBシリーズが257件になりました。この1週間でBシリーズは27件増えたようです。2015年度のAシリーズ302件(310件から、撤回の8件を除いた件数です)との合計では、559件になりました。撤回が1件増えたのは、八幡物産が11月下旬に「北の国から届いたブルーベリー」を撤回(この商品について2回目の撤回)しましたので、撤回が8件に増えたかと思います。

 この1週間では、キッコーマンの初の届け出受理を、記事にまとめました。

※日経バイオテク記事(第2段落以降は、会員の方のみご覧いただけます)
(2016.12.09)
キッコーマンが初の機能性表示食品
疲労感軽減テアニンとストレス緩和GABA
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/12/08/02001/?n_cid=nbpbto_mled_fd

 2012年1月設立のアテリオ・バイオ(北海道上川郡鷹栖町、三輪一典社長)も、有胞子乳酸菌であるライラック乳酸菌のサプリメントで、初の届け出受理を達成しました(届出番号:B232、届出日:2016年10月8日)。ライラック乳酸菌は、北海道庁が2013年春から開始した北海道食品機能性表示制度(ヘルシーDo)の認定も受けていますので、ヘルシーDoと機能性表示食品のダブル表示が可能になるのでは、とアテリオ・バイオに問合せしたところ、機能性表示食品の届け出を行った今回の商品「ライラック乳酸菌 スタンダード(分包)」は、京都府宇治市にある日本タブレットで製造を行うため、ヘルシーDoの対象にはならない、とのことでした。ちょっと残念。

 食品の健康機能に関わる表示の制度は、併記できない場合が多いのですが、消費者庁の機能性表示食品制度と北海道庁のヘルシーDoは、併記してよいのです。

 併記の第1号は、アミノアップ化学(札幌市清田区、藤井創社長)の「オリゴノール ハードカプセル」(A156)です。2016年2月下旬から、ダブル表記の商品が販売されています。

※日経バイオテク記事
(2015.12.09)
アミノアップ化学がヘルシーDoと機能性表示食品のW表示一番乗り
身体的な疲労感を軽減するオリゴノールで
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/092800003/120900203/?n_cid=nbpbto_mled_fd

 アミノアップ化学にうかがいましたところ、現在でも、機能性表示食品とヘルシーDoのダブル表示の商品は、このオリゴノール1商品が唯一のようです。

 この1週間の機能性表示食品の届け出でもう1つ目だったのは、ミツカングループの機能カンパニーであるMizkan Sanmiの11件の届け出です。

 食酢最大手のミツカングループの事業カンパニーであるMizkanは、すでに15件の届け出を行っていて、15件とも現在販売中とのことです。この15件のうちの11件と同じ内容の届け出を、今回は、Mizkan Sanmiが行いました。どうやらミツカングループで改組の準備が進められているようでして、機能性表示食品の届け出は、Mizkan Sanmiに全面的に変更していくようです。Mizkanの15件とMizkan Sanmiの11件は全て、酢酸を機能性関与成分とする内臓脂肪対策の食酢飲料です。

 現状ではミツカンとMizkanの表記がややこしいように感じておりますが、同社の特定保健用食品(トクホ)の表示許可取得と商品化の状況についても、まとめておきます。

 ミツカンが8品目(ビタミンK2納豆5品目と酢酸飲料3品目)の表示許可を取得していますが、現在は販売されていません。Mizkanが4品目(納豆3品目と酢酸飲料1品目)の表示許可を取得していて、現在販売しているのはこのうちの3品目です。血圧高め対策の「マインズ<毎飲酢>黒酢ドリンク」と、骨対策のビタミンK2含有「納豆ほね元気」に続いて、お通じ対策の納豆菌K-2株含有の納豆「おなか元気」を2016年10月から発売しました。おなか元気は、ミツカンが2011年に14億円で納豆事業を買収した旭松食品が、トクホとして販売してきた納豆商品の後継品といえます。

 ミツカンは、酢酸の健康機能性について、トクホでは“血圧高め”対策を、機能性表示食品では“内臓脂肪”対策を、訴求しています。商品数の多さから、内臓脂肪対策の機能性表示食品へのシフトを強めているように感じています。

 なお、酢酸を機能性関与成分とする“血圧高め”対策の機能性表示食品は他の企業が既に商品化しています。山田養蜂場(岡山県鏡野町、山田英生代表取締役)が2016年5月26日、「飲むはちみつ酢 りんご味」(A273)を新発売しました。

 さて日頃の取材の一部の話題も紹介してみます。今週木曜日(12月8日)には、二松学舎と大阪大学が共同研究で製作した文豪・夏目漱石のアンドロイド「漱石アンドロイド」の完成披露記者発表会に少し参加しましたので、このメールのウェブ記事で写真を掲載します。説明は不要とも思いますが、アンドロイドを挟んで左の人物が、漱石の孫である学習院大学教授の夏目房之介さんで、右が大阪大学大学院基礎工学研究科教授の石黒浩さんです。TVのニュースなどでも大きく取り上げられてますね。

 共同研究期間はまずは5年間とのこと。国立大学の理系の研究者と、私立大学の文系の研究者が共同で取り組む初のケースではないか、という説明もありました。

 いわゆる人工知能(AI)の機能が、漱石アンドロイドに搭載されるのはこれからです。大阪大学大学院基礎工学研究科教授の石黒浩さんは、「AIの質問をよく受けるが、質問者が意図するAIの定義や範囲を説明してもらわないと、返答に困る」ともお話しでした。至極納得です。

 水曜日(12月7日)の午後は、慶應義塾大学三田キャンパスで第7回慶應義塾生命科学シンポジウム「食と医科学フォラム~食・運動・ごきげんでアンチエイジング~」に参加しました。おもしろい話題たくさんの中から、個人による企業買収の話題を紹介します。「クックパッドで『おいしい健康』を手にいれよう!」という演題名で講演した株式会社おいしい健康の野尻哲也社長は、12月6日に資金を集めて、おいしい健康を個人で買収したと、話しました。

 おいしい健康は、2011年12月に東証一部に上場したクックパッドが100%出資して、2016年7月1日に設立したばかりの企業です。「(クックパッドといえども)経営判断に時間がかかりすぎる。上場目指して頑張る」と野尻社長はお話しでした。マネジメント・バイアウト(MBO、経営陣買収)による独立とのことです。おいしい健康の主要取引先には、アステラス製薬や小倉屋柳本などの社名があります。
 クックパッドの取り組みは、11月24日の「江戸料理レシピ」の発表会にて、日本IBMからクックパッドに異動した方からお話しをうかがったばかりでした。

【機能性食品 Vol.264】
トクホ35品目取り下げで計1253品目に、人工知能と「江戸料理レシピ」
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/mag/foodmail/16/11/24/00058/?n_cid=nbpbto_mled_fd

 火曜日(12月6日)は、湧永製薬の「Kyolic」新発売の記者会見が夕方、帝国ホテルで開かれまして、日経バイオテクの記事にまとめました。

(2016.12.07)
湧永製薬、熟成ニンニクサプリ「Kyolic」を日本で新発売
米国でニンニクサプリシェア6割、機能性表示食品にも展開へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/12/07/01989/?n_cid=nbpbto_mled_fd

 月曜日(12月5日)の午後には、内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「次世代農林水産業創造技術」の「次世代機能性農林水産物・食品の開発」の公開シンポジウム「夢の進展と社会実装」が、有楽町朝日ホールで開かれ、600人の会場がほぼ満席になりました。関連記事とりまとめ中です。

 先々月(2016年10月)から新たにプログラムディレクター(PD)に着任した北海道大学大学院農学研究院教授の野口伸さんにもお会いできました。

(2016.10.05)
内閣府SIP次世代農林水産業の新PDに北大の野口教授
9月30日のCSTIで実施方針を承認、10月1日に着任
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/10/04/01641/?n_cid=nbpbto_mled_fd

 最後に、日経バイオテク2016年12月5日号に掲載した機能性食材研究の連載記事で、ラッカセイをとりまとめたことをお伝えします。

(2016.12.05)
日経バイオテク2016年12月5日号掲載
機能性食材研究(第36回)
ラッカセイ(落花生)
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/082300007/120100004/?n_cid=nbpbto_mled_fd

 原則毎週金曜日に配信している日経バイオテク機能性食品メールに掲載している記者によるコラムを掲載します。

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