【機能性食品 Vol.265】

初の人工細胞・生命の石碑が微生物の石碑と共に建立

第1回オキナワモズクフコイダン研究会、分子生物学会は来年30学会合同で
(2016.12.02 08:00)
河田孝雄
モズク栽培の当真氏
画像のクリックで拡大表示

 まずは恒例の機能性表示食品の届け出受理の公表のアップデイトから。昨日(2016年12月1日)の公表追加分までで、2016年度のBシリーズが230件になりました。2015年度のAシリーズ303件(310件から、撤回の7件を除いた件数です)との合計で、533件になりました。この1週間で21件増えましたが、機能性関与成分の“新規”は無かったと認識しております。

 今回のメールでは、納豆の発祥の地として知られる茨城県に、微生物の石碑と、人工細胞・人工生命の石碑が建立されたことをまずは紹介します。

※関連の日経バイオテクONLINE記事(リンク先の記事は、第2段落以降を会員限定とさせていただいております)

(2016.11.30)
人工細胞・人工生命や微生物の慰霊碑、茨城県北部に建立
研究者や地元発酵産業経営者らの動画を年内に公開
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/11/29/01951/?n_cid=nbpbto_mled_fd

 自然界に生息している生物について慰霊碑を建立することは、日本独特の文化という側面もあるようです。

 人工細胞や人工生命の慰霊碑は、先進的なバイオテクノロジーの研究者らにより建立された茨城の石碑(まだ見ぬつくられしものたちの慰霊)が世界で初めてのようなのですが、微生物の慰霊碑は歴史が積み重ねられています。京都府の2件、佐賀県と神奈川県、山口県の碑について、上の記事で紹介しました。

 茨城県の微生物の慰霊関連では、次の醸造・発酵関係者の方々9人のビデオメッセージが近く公開されるとのことです。ヨネビシ醤油の岡崎靖さん、岡部酒造の岡部彰博さん、サニーサイドキッチンの金子康二さん、剛烈富永酒造の鈴木勝則さんと富永継則さん、金砂郷食品の永田由紀夫さん、トーコーフーズの塙秀茂さん、木の里農園の布施大樹さん、喜久屋の渡辺彰さんです。このうち金砂郷食品とトーコーフーズは茨城県が本場とされる納豆のメーカーで、喜久屋は麹・味噌メーカー、サニーサイドキッチンは天然酵母パンのカフェです。

 次の話題は、2016年11月25日に開催された第1回オキナワフコイダン研究会です。以前に、オキナワモズクの栽培法の確立で大きな貢献をなさったことを記事で紹介した、元沖縄県海洋深層水研究所所長の当真武農学博士の基調講演「オキナワモズクの栽培の歴史」もうかがえました。

 もう1つの基調講演は、研究会の会長を務めている群馬大学名誉教授の長嶺竹明さんの「フコイダンとの邂逅」でした。沖縄県那覇市のご出身とのことで、現在は那覇市にある大道中央病院の医師をお勤めです。

 そして招待講演は2演題。演題名は琉球大学医学部教授の福島卓也さんが「HTLV-1キャリアに対するフコイダンの抗ウイルス効果検証のための臨床試験」、沖縄科学技術大学院大学(OIST)マリンゲノミクスユニットの西辻光希さんが「オキナワモズクの全ゲノム解読~養殖・産業利用のための第一歩~」でした。

 OISTのゲノム解読については、今年以下の記事で紹介しています。

※関連の日経バイオテクONLINE記事

日経バイオテク2016年7月11日号「特集」
次世代シーケンサーの新展開
ロングリードNGSが威力を発揮、ハイエンドとモバイルの2極化進む
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/report/theme/16/07/06/00027/?n_cid=nbpbto_mled_fd

日経バイオテク2016年6月13日号「機能性食材研究」(第30回)
オキナワモズク(本もずく)
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/report/series/16/06/08/00111/?n_cid=nbpbto_mled_fd

(2016.3.30)
OISTマリンゲノミクス、オキナワモズクと海ぶどうのゲノム解読
藻類学会や水産学会で発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/03/29/00459/?n_cid=nbpbto_mled_fd

 最後は、一昨日(11月30日)から本日まで3日間、パシフィコ横浜で開催の第39回日本分子生物学会年会の話題です。昨日のシンポジウムは「生体に潜むヘテロジェネイティを明らかにするマルチオミックス」や「全細胞解析が拓くマイノリティ細胞研究」などを聴きましたが、イメージング技術の革新・発展を改めて認識しました。

 研究者の方々に寄稿していただいている日経バイオテクの連載「バイオイメージング最前線」の第15回では、エピジェネティクスの注目ツールである「mintbody」を、東京工業大学の佐藤優子さんと木村宏さんに解説していただきました。ぜひご覧ください。

※日経バイオテク2016年11月21日号
バイオイメージング最前線(第15回)
蛋白質の翻訳後修飾を、生細胞内で可視化
佐藤優子=東京工業大学研究員、木村 宏=東京工業大学教授
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/082300013/111600002/?n_cid=nbpbto_mled_fd

 今年の分子生物学会は7000人を超える参加者が見込まれているとのことです。今日12月2日は、18時15分から2時間にわたり、市民公開講座「ゲノム編集は生命観を変えるか?」が開催されます。1986年に大腸菌からCRISPRを発見した九州大学農学研究院教授の石野良純さんもパネル討論者として登壇なさいます。企画したのは、東北大学大学院医学系研究科教授の大隅典子さん。大隅さんは、2013年と2014年に日本分子生物学会の第18期理事長を務めました。

 来年の第40回日本分子生物学会年会は、生命科学系学会合同年次大会として2017年12月6日から9日に神戸ポートアイランドで開催されます。第90回日本生化学会大会と合同なのはこれまでも何回も実績があるのですが、来年はさらに28の学会が協賛しますので、合計30学会が合同の年次大会ということになりますね。1万人を超える規模になりそうで、楽しみです。

 協賛28団体の中には、日本ゲノム編集学会も含まれます。機能性食品と関連が深い日本栄養・食糧学会も、協賛します。開催中の年会に掲示されているポスターでは「食糧」が「食料」になっているのに気が付いてしまい、ちょっと残念に思いました。

 原則毎週金曜日に配信している日経バイオテク機能性食品メールに掲載している記者によるコラムを掲載します。

PR・告知製品・サービス一覧人材・セミナー・学会一覧