【機能性食品 Vol.256】

消費者庁がトクホ成分の分析を依頼、農水省「知の集積」で東北大の日本食を採択

(2016.09.30 18:00)
河田孝雄
日健栄協の下田理事長
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  【日経バイオテク/機能性食品メール】
     【2016.9.30 Vol.256】
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 原則として毎週金曜日に「日経バイオテク/機能性食品メール」をお届けしております日経バイオテクの河田孝雄です。

 まずは、機能性表示食品の届出情報のアップデイトから。2016年9月29日公表分までで、2016年度のBシリーズが138件となり、ここ1週間で8件増えました。新規成分など特に注目の届け出が無いようなので、記事にとりまとめていません。

 1週間前の機能性食品メールも、ご参照ください。

(2016.09.23)
【機能性食品 Vol.255】
不二製油「ソイタリアン」、論文の被引用解析とノーベル賞予測
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/mag/foodmail/16/09/23/00043/

 次に、特定保健用食品(トクホ)の話題です。9月23日に日本サプリメントのトクホ6品目全てについて、トクホ表示許可の取り消しを行った事態を踏まえて、消費者庁が9月27日、トクホの関与成分に関する調査を、公益財団法人の日本健康・栄養食品協会に依頼しました。

 日本サプリメントのトクホ6品目の内訳は、関与成分が「かつお節オリゴペプチド」のトクホが4品目と、関与成分が「豆鼓エキス」のトクホが2品目です。

 前者のペプチドについては、「関与成分として記載されているLKPNMの含有量が規格値を満たさない疑義があること等が、自社の自主検査により判明した。これを受けて、対象商品について、トクホとしての販売を終了する」旨を、日本サプリメントが9月17日に発表しました。このペプチドの定量法は、ELISAです。

日本サプリメント■ペプチドシリーズについてのお詫びとお知らせ
http://www.nippon-sapuri.com/news/20160917_p.html

 後者の豆鼓については、「関与成分として記載されているトリスが含まれていないこと等が、自社の自主検査により判明した。これを受けて、対象商品について、トクホとしての販売を終了する」旨を、日本サプリメントが9月17日に発表しました。トリスの定量法は、ガスクロマトグラフィ(GC)法です。

日本サプリメント■豆鼓シリーズについてのお詫びとお知らせ
http://www.nippon-sapuri.com/news/20160917_t.html

 日本サプリメントは1999年12月に日本合成化学工業から独立し、06年2月にキューサイの子会社になりました。キューサイは2010年10月にコカ・コーラウエストの子会社になり、コカ・コーラウエストは、コカ・コーライーストジャパンと2017年春にも経営統合します。

 この日本サプリメントの6品目の取り消しにより、トクホの品目数は現在、1271になりました。許可が1270品目で、輸入品が対象になる承認が1品目です。

 消費者庁の依頼を受けて、日健栄協は、この1271品目全てについて、10月26日までに報告することになりました。

 1271品目のトクホの表示許可・承認を受けている企業数は200社程度あり、そのうち50社余りは、日健栄協の会員ではありません。日健栄協は、会員外の企業についても、調査を行います。トクホの品目数では、9割近くが、日健栄協の会員企業のトクホとのことです。

 実は、日健栄協は、トクホの市場規模を算出するために、会員外の企業も対象にしたアンケート調査を実施しています。このネットワークが、今回の消費者庁の依頼に役立ちます。

 調査の結果、関与成分の含有量が適切でなかった場合には、調査結果報告の期限(10月26日)を待たずに、日健栄協を通じて至急、消費者庁に報告することになりました。

 日本サプリメントは、日健栄協の会員企業です。日健栄協が9月26日午前中に開催したメディア懇談会では、日本サプリメントにこれから事情を聴くと説明していました。

 さて、最後の話題は、「和食(日本食)」の健康機能です。農林水産省が2016年度から開始した「『知』の集積と活用の場による研究開発モデル事業」で、東北大学が研究代表機関を務める「高付加価値日本食の開発とそのグローバル展開」が採択されました。

 農研機構生物系特定産業技術研究支援センター(生研センター)が9月21日に発表しました。

http://www.naro.affrc.go.jp/brain/knowledge/results/h28_first/index.html

 書類審査対象課題数は13、面接審査対象課題数は10で、このうち4課題が採択されました。1課題についておよそ年数1000万円の予算がつき、およそ5年間の計画のようです。

 知の集積の予算は、2017年度では27億円を、農水省が要求しています。

日経バイオテク■(2016.09.01)
農水省の概算要求、知の集積で27億円、重点委託研究で52億円(2016.09.01)
8月31日15時50分に2017年度予算概算要求の骨子を公表
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/08/31/01427/

 富山市で水曜日から今日まで開かれた第68回日本生物工学会大会では、「和食の機能性のメカニズム~生活習慣病予防、腸内細菌へのインパクト~」と題するシンポジウムが9月30日に行われました。

 このシンポジウムの最初の演題は、東北大学大学院農学研究科生物産業創成科学専攻食品機能健康科学講座食品化学分野准教授の都築毅准さんの「日本食の健康機能性」。都築さんは、日本食プロジェクト第一研究室を率いています。

 日本食の健康機能については、農水省関連で他の取り組みもあります。

日経バイオテク記事■(2015.01.23)
東北大の都築准教授、伝統的な日本食のヒト介入試験を2015年度開始へ、腸内細菌叢も検査
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20150123/181811/

日経バイオテク記事■(2015.02.27 14:20)
京大農の伏木教授が4月に龍谷大に異動、「食の嗜好センター」を率いる
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20150227/182855/

 最後に、関連のお知らせです。農研機構の果樹茶業研究部門は11月11日(金)午後、シンポジウムをサンパール荒川(東京・荒川)で開催します。東北大学災害科学国際研究所教授の栗山進一さんが「日本型食生活と健康寿命との関係」と題する講演を行います。

平成28年度 農研機構シンポジウムを開催
「今、お茶とフルーツが熱い!品種開発・健康機能性の研究最前線」
http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nifts/071348.html

 お茶や温州ミカンなどは、日本が世界に誇れる食材では、と思います。引き続き注目してまいります。

 今週の日経バイオテクONLINEの記事では、生物工学会でも発表がありましたDアミノ酸の高速一斉分析法、長瀬産業と林原の共同開発、ファンケルと古河電機の共同開発、も報じました。ぜひご覧ください。

(2016.09.27)
阪大の福崎英一郎教授ら、Dアミノ酸の高速一斉分析法を開発
Dアミノ酸学会で特別講演、生物工学会発表はトピックス
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/09/26/01589/

(2016.09.28)
長瀬産業、林原と初の共同開発製品は製パン用酵素
林原の菌株でナガセが生産する酵素製剤を10月3日発売
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/09/27/01594/

(2016.09.27)
ファンケル、唾液中のフェリチン測定技術を古河電気と開発
蛍光シリカ粒子でイムノクロマト法を高感度化
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/09/26/01587/

 原則毎週金曜日に配信している日経バイオテク機能性食品メールに掲載している記者によるコラムを掲載します。

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