【機能性食品 Vol.240】

27年前のダービー馬が東大牧場で余生、寄付で牧場の設備を更新

「あなたはどこまでやりますか?~ヒト受精卵へのゲノム編集を考える~」
(2016.06.03 10:00)
河田孝雄
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 原則として毎週金曜日に「日経バイオテク/機能性食品メール」をお届けしております日経バイオテクの河田孝雄です。今週から、配信時間を原則、金曜日の午前中とさせていただきます。

 まずは恒例の機能性表示食品の届け出公開情報から。昨日(2016年6月2日)夕方までの1週間では新たな新規の公表はありませんでした。

 1週間前のメールで少し紹介しましたDanone社の機能性表示食品については、今週火曜日(5月31日)に中目黒のダノンジャパンにて、取り組みをうかがってきました。記事とりまとめ中です。特定保健用食品(トクホ)の表示許可の申請は行ったことは無いとのことでした。

 海外の有力企業が、日本のヘルスクレーム(健康強調表示)制度を活用することを期待しております。

[2016-5-27]
【機能性食品 Vol.239】、ダノンがBE80で渾身の機能性表示、
第5回機能性成分検討会でイチョウ葉が話題に
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/mag/foodmail/16/05/27/00022/

 機能性表示食品の話題としては、今年4月1日にフォーデイズがアイケアサプリメント「アイリフレ クリア」を新発売したことを紹介しますね。届出番号は「A179」、届出日は「2016年1月8日」。「ルテイン・ゼアキサンチンには、加齢などによって減少する目の黄斑部の色素量を上昇させる働きがあり、ブルーライトなどの光の刺激からの保護や、コントラスト感度の改善によって、目の調子を整えることが報告されている」旨を表示しています。

[2015-6-19]
続報、核酸栄養のフォーデイズが東京大学農に寄付講座を開設、6月25日に公開講座
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20150619/185716/

 フォーデイズは16年連続増収とのことで、消費者庁の「特定商取引に関する法律」第33条で定義される販売形態に該当する企業である「ネットワークビジネス業界」において、売上高3位とのことです。

 売上高は1位の日本アムウェイが1000億円弱、2位の三基商事が700億円強、3位のフォーデイズは400億円強のようです。少し前まで3位だったニュースキンジャパンを、フォーデイズが最近、追い抜いたようです。

 2位の三基商事については先月、1つ成果を紹介しました。三基商事は京都大学との共同研究成果を商品化しました。

[2016-5-9]
三基商事がコーカサス乳酸菌を睡眠対策で商品化
京大の河田照雄教授との成果を来週発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/05/07/00662/

 東京大学へのフォーデイズの寄付金は総額が2億2500万円です。寄付講座「食と生体機能モデル学」設置分の寄付は1億2500万円で、このほかに牧場の改修分として1億円を助成しました。

 そして先週土曜日(5月28日)、牧場の改修お披露目会が、茨城県笠間市にある東京大学大学院農学生命科学研究科附属牧場で開催され、150人ほどが集まりました。

 東大牧場で飼育している頭数は190頭余り。多い順にヤギが104頭、ブタが46頭、ウシ28頭、ウマ13頭です。このうちヤギは、人工臓器などの研究用の動物という意味合いが大きいとのことでした。もちろん研究室では、マウスやラットなど実験動物を用いた研究も行われています。

 このお披露目会の翌日(5月29日)は、競馬の重賞である日本ダービーが東京競馬場で開かれました。ただいま調べたところ、「マカヒキ」という馬が勝ったのです(優勝賞金は2億円のようです)が、27年前の1989年にダービーを制した「ウィナーズサークル」という馬が、東大の牧場に1頭でいました。御年30歳。2000年11月に東大牧場に移管されて、余生を送っているとのことです。

 牧場では、優れた形質を持つ子孫をいかに増やしていくかが重要な研究課題です。発生生物学・発生工学の実用化は、獣医の領域で先行している部分が大きいようです。

 遺伝子解析が経済動物の経済性に寄与している代表例は、乳牛といわれています。その代表のホルスタインは、日本にはメスが160万頭いますが、オスは100数10頭程度とのこと。およそメスはオスの1万倍いるというのにもびっくりしました。

 牧場でも重要な発生工学、生殖工学は、ヒトの世界でも重要です(生殖工学というよりも生殖医療、不妊治療ですが)。翌日の日曜日(5月29日)には、お台場の日本科学未来館で、みらいのかぞくプロジェクトのトークイベント「あなたはどこまでやりますか?~ヒト受精卵へのゲノム編集を考える~」が、お台場の日本科学未来館で開かれて、100人近くが集まりました。

 考えさせられることが多かった、魅力的なイベントでした。記事に反映してまいります。

 獣医の分野でも、従来は学生の大半が男子だったのが、最近では女子が半数以上に増えてきたとのこと。今回の東大牧場の改修では、懸案だった女子用の浴場や洗面所を整備できました。東大牧場は、獣医学科などを持つ東日本の大学の多くが教育・研究の場に利用しているとのこと、女子が増えてきたのにこれまでどう対応してきたのだろう、と不思議に思いました。

 日経バイオテクの連載「機能性食材研究」の第30回は「オキナワモズク」を、2016年6月13日号で予定しています。モズクに多いフコイダンは胃の不快感対策に役立ち、フコキサンチンは光合成の研究でも注目の素材です。

 第29回の「海ぶどう」に続き、ゲノム解読では、OISTの強力な研究グループが登場します。

[2016-5-20]
【機能性食品 Vol.238】、パプリカのレプリカ、海ぶどう、
郷ひろみと日本抗加齢医学会、医学会、医師会
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/mag/foodmail/16/05/27/00023/

[2016-5-16]
日経バイオテク5月16日号「機能性食材研究」(第29回)
クビレズタ(海ぶどう)
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/report/series/16/05/11/00093/

[2016-3-30]
OISTマリンゲノミクス、オキナワモズクと海ぶどうのゲノム解読
藻類学会や水産学会で発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/03/29/00459/

 原則毎週金曜日に配信している日経バイオテク機能性食品メールに掲載している記者によるコラムを掲載します。

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