【機能性食品 Vol.233】

ヒトマイクロバイオームの論文数、日本は世界で17位、JST-CRDSが報告書を公表

(2016.04.08 18:30)
河田孝雄
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  【日経バイオテク/機能性食品メール】
    【2016.4.8 Vol.233】
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 原則として毎週金曜日に「日経バイオテク/機能性食品メール」をお届けしております日経バイオテクの河田孝雄です。

 まずは機能性表示食品の届け出件数から。この1週間では今週火曜日(2016年4月5日)に5件(届出日は3月18日)、今週木曜日(4月7日)に2件(届出日は3月22日)、届け出受理を消費者庁が公表しまして、合計282件になりました。今回は、「機能性関与成分」の新規はありませんでした。

 一方、特定保健用食品(トクホ)では、前から注目されてきた資生堂のトクホが4月1日、ついに許可されました。

 機能性関与成分は、こんにゃく由来グルコシルセラミドで、ダイセルが事業化しています。この成分を配合した機能性表示食品も登場します。

[2016-4-4]
資生堂の肌乾燥対策飲料が4月1日にトクホ表示許可取得
ダイセルのこんにゃくセラミドを配合
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/04/01/00486/

[2016-3-29]
こんにゃくセラミドが肌乾燥対策の機能性表示食品に
ダイセルが素材供給、資生堂のトクホは近く実現へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/03/29/00458/

 前回のメールなどでもお知らせしましたが、注目度が高まっている腸内フローラについて、科学技術振興機構(JST)の 研究開発戦略センター(CRDS)がとりまとめた「戦略プロポーザル」の報告書が、今週火曜日(4月5日)に公表されました。80ページあまりの報告書、ぜひご覧ください。

http://www.jst.go.jp/crds/index.html

2016年4月5日
・戦略プロポーザル 微生物叢(マイクロバイオーム)研究の統合的推進 ~生命、健康・医療の新展開~(PDF形式:10.0MB)

 報告書のP.61に「付録4.論文動向」の記載があります。

 2015年11月11日に米Thomson Reuters社の「Web of Science」を用いて、検索語「human microbiome」にて2000年から2015年の論文の数を検索したところ、1位は米国、2位は英国、3位は中国、4位はドイツ、5位はカナダでした。

 それでは日本は、というと、なんと17位とのこと。論文の少なさに驚きです。

 同じ論文検索にて、検索語「mucosal immunity」(粘膜免疫)では日本は米国に次いで2位であり、「metabolome」(メタボローム)では日本は米国、ドイツに次いで3位でした。特に被引用TOP1%の被引用数が多い論文に限定すると、日本人研究者の論文シェアは、粘膜免疫で18%、メタボロームで21%を占めています。このあたりは日本が強い。

 メタボロームに強みがあるとされるメタジェンの記事も、今週まとめました。

[2016-4-6]
メタジェンが腸内デザイン応援プロジェクトを開始
2016年度は12社が参加
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/04/05/00506/

 2016年度から5年で20億円から40億円規模のプロジェクトが、ようやく日本で始まります。文部科学省・日本医療研究開発機構(AMED)の「宿主と微生物叢(そう)間クロストーク・共生の解明と健康・医療への応用」です。

 日本は世界の最長寿国で、食事や環境が大きな役割を担っていると考えられています。日本の強みを活用した取り組みの強化に期待しております。

 この2016年3月には、DNA Research誌にて、早稲田大学の服部正平教授らが、日本人106人の腸内フローラの大規模なメタゲノム解析を行い、日本を含む12カ国のヒト腸内フローラデータの比較解析を行った成果を、論文発表しました。

http://www.waseda.jp/top/news/39021

 この論文の解説では、今後の展開として、次のような旨を記載しています。

・本研究では、ヒト腸内フローラが国レベルで大きく異なることと日本人の腸内フローラの特徴が明らかとなった。本研究で収集された大量の腸内フローラデータは、日本人の病態の腸内フローラのディスバイオシスを診断する基準データとして、また、腸内フローラが関与する病気の予防や治療、健康増進につながる生活習慣の改善等に役立つと期待される。今後は、今回明らかとなったヒト腸内フローラの国特異性や日本人の腸内フローラの形成に関与する食事を含めた諸要因を明らかにすることが重要と考える。

 それから最後に、2016年度が始まった4月1日の改組などの記事をいくつかまとめました。ご覧ください。東京大学は、寄付講座や社会連携講座について、期間や寄付金額などを定期的に開示しています。

[2016-4-6]
4月新発足の農水系国立研究開発法人にゲノム新組織
農研機構に次世代作物センター、水産機構に生命情報センターが誕生
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/04/06/00507/

[2016-4-1]
東大農の初の社会連携講座はサントリー
「栄養・生命科学」社会連携講座が4月発足
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/04/01/00485/

[2016-4-4]
東大駒場で初の社会連携講座はイメージング、ニコンが2億円
リシール技術の村田昌之教授が兼任で特任教授に
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/04/02/00487/

[2016-4-5]
協和発酵バイオが初の寄付研究部門
東大生物生産工学研究センターに「微生物機能代謝工学」
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/04/04/00504/

 原則毎週金曜日に配信している日経バイオテク機能性食品メールに掲載している記者によるコラムを掲載します。

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