【日経バイオテクONLINE Vol.3120】

再生医療分野に参入する企業を支援する機関が活性化

(2019.03.13 08:00)
高橋厚妃

みなさんこんにちは、日経バイオテクの高橋です。先日、大阪で行われた第5回再生医療産業化展[大阪]で、近畿経済産業局バイオ・医療機器技術振興課の方にお話を伺う機会がありました。

 紹介された1つが、関西再生医療産業コンソーシアム(KRIC)です。再生医療分野で提携先を見つけたいと考えている企業や、新規に参入したいと考えている企業などを対象に、企業間のパートナーシップを促進するために2015年に設立されました。2019年2月時点で、233の企業や機関が参加しているそうです。いくつかマッチングの仕組みがあり、例えば、KRICの事務局やコーディネーターが企業間を取り持つケースもあるようです。マッチングの結果今までに、製薬企業などからのニーズを元にした、「引っかかりのない遠沈管ラック」などが開発されました。従来の遠沈管は、溶接部分に引っかかりが残っているものが多く、作業者の手袋を破いてしまうことがありました。再生医療等製品の商業用の製造につかうには、コンタミのリクスが大きいとされていた課題を解決しようとしたものです。

 また、グローバル・ネットワーク協議会(GNCJ)が主催した、再生医療分野の支援人材ネットワーク構築会議についても聞きました。そもそもグローバル・ネットワーク協議会とは、政府の日本再興戦略2016などの方針に則り、日本型イノベーション・エコシステムの核となる推進組織として、経済産業省が2016年6月9日に設立したものです。経済産業省や文部科学省が支援する、地域の中核企業を中心としたプロジェクトを支援する枠組みです。分野は、機械、IT、素材、バイオ、農業、環境・エネルギーなどが多岐にわたっています。

 2019年2月に、GNCJが主催した、再生医療分野支援人材ネットワーク構築会議が開催されました。主には、各地で再生医療分野の支援を行う現場の人材同士の交流です。支援というのは、各機関によって種類は異なるのですが、例えば企業を集めてイベントを開催したり、企業同士の橋渡しを行ったりすることです。

 同会議には例えば、とかち財団、再生医療イノベーションフォーラム(FIRM)、ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)、川崎市、川崎市産業振興財団、京都高度技術研究所(ASTEM)、京都産業21、京都リサーチパーク(KRP)、大阪府、中小企業基盤整備機構、近畿バイオインダストリー振興会議、神戸医療産業都市推進機構の現場の方々などが参加したそうです。

 なぜ、こうした支援機関の現場の交流が必要なのかと聞いてみると、「各支援機関が、同じ課題に直面している場合がある。各機関がどのように乗り越えたのかなどのノウハウを共有し、現場同士でつながると解決しやすくなる可能性がある」とのこと。積極的に取り組まなければ、課題は認識されないもの。こうしてお話を聞いてみると、再生医療分野は、企業などを支援する仕組みが各地方で活性化しているのだなと思いました。

 バイオ研究者やバイオ産業に携わる方、約5万人に向けて月曜から金曜まで週5回配信している日経バイオテクONLINEメールに、水曜日と金曜日に掲載している記者によるコラムを掲載します。

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