【日経バイオテクONLINE Vol.3048】

バイオベンチャーの社外取締役について考える

(2018.11.16 10:00)
久保田文

 おはようございます。副編集長の久保田です。現在ボストンで、スイスRoche社主催の米Foundation Medicine社のメディアイベントに参加しています。詳細は近日中に記事にする予定ですので、お楽しみに。

 さて、本題です。2018年8月以降の資金調達の中止や第三者委員会の設置をめぐって揺れているテラについて、先日来、何度か記事を書きました。その中で、バイオベンチャーを始めとする企業の社外取締役や監査役について、いろいろ考えさせられました。

追跡レポート◎テラ、経営者と監査役の温度差が表面化、騒動の行方は
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/18/11/06/04954/

 テラの矢崎雄一郎前社長は、今回の騒動について、「もっと(社外取締役や監査役と)一丸となってしかるべきだった」と話していました。テラの(社内)取締役と、社外取締役や監査役との関係が実際どうだったのかは明らかではありませんし、矢崎前社長の言う、一丸となっていたら今回の騒動が起きなかったのかどうかももちろん定かではありませんが、(社内)取締役と、(社内)取締役や監査役との温度差がここまで生じることはなかったという意味なのでしょう。

 一般的に、(社内)取締役は、その企業が手掛ける事業について、知見や情熱を持っていて、だからこそ事業は進み、ただ、熱くなりすぎるときもあるわけですが、社外取締役や監査役は、一歩引いて、その企業を眺め、事業をうまく進めつつ、熱くなり過ぎたときには指摘する、という役割を担っています。

 ただ、あるバイオベンチャーの社長は、「自分たちの事業や技術についてよく知っていて経験も、人脈もある方を選んで、社外取締役をお願いするようにしている」と話していました。一歩引いて、その企業を眺めるにしても、一般論ではなく、事業や技術について突っ込んだ議論ができるような関係を重視しているというわけです。

 大企業では、有名経営者や複数の企業で社外取締役を務める社外取締役の専門家など、その企業の事業自体についてはあまりご存じない方を社外取締役にする、というケースも少なくありません。ただ、バイオベンチャーでは、それでは経営が難しいということなのだと思いました。

 バイオ研究者やバイオ産業に携わる方、約5万人に向けて月曜から金曜まで週5回配信している日経バイオテクONLINEメールに、水曜日と金曜日に掲載している記者によるコラムを掲載します。

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