【日経バイオテクONLINE Vol.3041】

増えるオープンイノベーションのパターン

(2018.11.07 08:00)
高橋厚妃

 みなさん、こんにちは。日経バイオテクの高橋です。先日、日本製薬工業協会(製薬協)と米国研究製薬工業協会(PhRMA)、欧州製薬団体連合会(EFPIA)の共同会見に出席し、製薬企業のオープンイノベーションのパターンが、従来と比較して増えていることを聞きました。

 例えば、これまでは2社で連携するケースが多かったものが、解決する課題が複雑になっていることもあり、今後は1つのテーマで複数の企業が連携するパターンが増えるのではないかという指摘がありました。思い返してみると2018年10月9日には、アステラス製薬、田辺三菱製薬、第一三共の3社が、自社では開発を中断した化合物ライブラリーを大学などの外部の研究機関に提供してドラッグリポジショニングを目指す「JOINUS」について、2回目の公募を開始しました。これは、オープンイノベーションの一環として、大学や公的研究機関、ベンチャー企業などに、3社で前臨床試験あるいは臨床試験まで実施したものの開発を中断した化合物を対象に、新たに疾患治療薬として開発を目指すものです。

アステラス・田辺三菱・第一三共、新薬探索プログラムJOINUSの2回目公募(関連記事

 また、製薬企業は今後、デバイスメーカーや情報解析の技術に強みがある企業など、バイオロジー以外を専門とした分野との連携が拡大するのではないかといった指摘もありました。これを聞いて思い出したのが、大日本住友製薬の取り組みです。同社は、医薬品の創出以外にも、デジタルヘルスなどの新規事業(フロンティア領域)にも力を入れて取り組むとしており、2018年10月17日には、生体信号を処理する技術やロボット技術を持つベンチャーのメルティンMMI(東京・新宿、粕谷昌宏代表取締役)に7億円を出資するとともに、共同研究開発契約を締結したことを発表しました。

 製薬企業の取り組みにより、今後も様々なオープンイノベーションのパターンが増えそうです。引き続き注目していきたいと思います。

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