【日経バイオテクONLINE Vol.3021】

ノーベル賞受賞でバイオへの眼差しに変化?

(2018.10.10 08:00)
橋本宗明

 皆様、おはようございます。日経バイオテクの橋本宗明です。

 まずはウェブサイトを少し改良しましたのでそのご案内から。今回のポイントは主に2つあって、記事のタイトルと本文の間に「この記事を印刷する」というボタンを設けたことです。今年5月に読者の方々を対象にウェブサイトの利用状況や使い勝手などをお聞きするアンケート調査を行ったところ、「印刷に適した機能を設けてほしい」という声が多数出ていたので、それにお応えした格好です。

 このボタンを押すと、バナー広告や右側のランキング、記事下のお薦め記事などを除いた、記事のタイトルや筆者名などと図版を含めた本文のみからなる「印刷最適化ページ」が立ち上がります。そこで印刷ボタンを押すと、記事がきれいな形で印刷されます。なお、ランキングなども含めて、ブラウザに表示されている通りに印刷されたい場合は、ブラウザの印刷機能を使って印刷してください。

 もう1つは、検索機能に少し手を入れました。日経バイオテクONLINEの記事検索機能に関して、これまでも「公開日で絞り込む」という機能を設けていましたが、この機能はまず「検索語」を入力して記事を絞り込んだ後、公開日で絞り込むというものでした。これに対して、「一定期間中に公開された記事の見出しを全部見たい場合、どうすればいいのか」という問い合わせがあったため、検索語を入力せず、記事発表日を指定して検索した場合に、その期間に公開された全ての記事をリストアップできるようにしました。検索窓の下にある「詳細検索」のボタンを押して、詳細検索ページでお試しください。

 日経バイオテク編集部では、皆様のご意見・ご要望を真摯に受け止め、ウェブサイトの機能やサービス内容、編集方針などを適宜見直していきたいと考えています。どうぞ忌憚のないご意見・ご要望を、下記の問い合わせフォームからお寄せいただければ幸いです。

(日経バイオテクONLINE) http://bit.ly/2Pof1dF
(法人版/Pharma Business) http://bit.ly/2LCr48y

 さて、10月1日に本庶佑先生のノーベル生理学・医学賞受賞が決まったことで、バイオに対する世の中の眼差しが少し変化したように感じるのは私だけでしょうか? 少なくともこれまで、情報番組などで医療費の膨張をもたらす高薬価の医薬品として取り上げられてきた抗PD1抗体「オプジーボ」が、癌免疫という新しいコンセプトの治療をもたらしたイノベーティブな医薬品として、正当な紹介のされ方をするようになったのは好ましいことです。

 本日からはパシフィコ横浜でBioJapan2018が始まり、金曜日にはDelta-Fly Pharmaが東証マザーズに新規株式上場するなど、一般の人の目にも留まりそうなバイオ関連の話題が相次ぎます。これらのニュースにより、バイオへの注目がさらに高まることが期待されます。

 ちなみに、10月1日から東京証券取引所もバイオベンチャー向けの相談窓口を設けたことも、バイオにとって追い風になりそうな話題の1つです。バイオベンチャー関係者の間で「こういう条件を満たさないと株式上場できない」と語られてきたことの中には、都市伝説のようなものが幾つもあったようです。しかも、バイオベンチャーから見れば東証というのは相当敷居の高い存在で、ある程度上場できるめどを付けてから、証券会社と一緒にお伺いを立てに行く場所のようなイメージがありました。今回の相談窓口の設置によって、そんなイメージが払しょくされ、バイオベンチャーがいたずらに都市伝説に振り回されることが無くなるよう、期待しています。

東証、バイオベンチャー向けの上場相談窓口を10月1日開設
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/18/09/26/04769/

 ただ、バイオに対する世間の見方が少し変わったとしても、医療費抑制の圧力は減らないし、製薬産業が効率化を求められる状況も変わらないでしょう。これに対して、製薬業界はどのような答えを出せるでしょうか?

 製造や流通といったスケールメリットが効きやすい部分では、業界再編により効率化を迫られるのは必至です。しかし、ノーベル賞受賞者の多くが基礎研究への投資の拡大を口にしていることからも明らかなように、イノベーションの芽を生み出すところでは選択と集中をするのではなく、数多くのプロジェクトに分散投資を行うことが必要だと思います。他方、医薬品の研究開発においても、ハイスループットスクリーニングなどスケールを必要とする機能は存在します。そこで、それら研究支援機能と、分散投資が有効な部分とを切り分けて、分散投資の受け皿としてベンチャーの創出を促していく。こうした取り組みが業界を挙げてなされれば、これからも日本発の革新的な医薬品が生み出され、イノベーティブな産業として期待されることになると思います。ベンチャーを生み、育てるエコシステムを、製薬産業挙げて作り出すことが求められているのではないでしょうか。

 バイオ研究者やバイオ産業に携わる方、約5万人に向けて月曜から金曜まで週5回配信している日経バイオテクONLINEメールに、水曜日と金曜日に掲載している記者によるコラムを掲載します。

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