おはようございます。副編集長の久保田です。毎年8月は、12月期決算や6月期決算の企業の決算説明会が相次ぎます。人手が限られている弊誌編集部では、毎日手分けして、製薬企業や上場バイオベンチャーの決算説明会を回っています。

 先日、ある上場バイオベンチャーの説明会の後、知り合いの金融関係者が「ここの会社の株価はもっと上がっていいよね……」と話しているのを聞きました。その後、別の上場バイオベンチャーの説明会で、取材先の投資家が「この会社の株価はもっと上がるはずだと思うんだけど……」と言っているのも耳にしました。

 承認取得の実績があったり、着実にパイプラインの開発が進んでいたり、ライセンス活動で上々の成果が出ていたりと、確かにいずれの上場バイオベンチャーも、“成果を出している割には、株価で評価されていない印象がある”という点で共通してはいたので、投資家からすれば「株価が上がる余地がある企業」に映るのでしょう。

 ではなぜ、成果を出している割に、株価で評価されないのか――。株価は様々な要素で決まるので、そう単純ではありません。ありませんが、知り合いの金融関係者が重要な要因の1つとして指摘していたのは、決算説明会などでの経営者のプレゼン力でした。プレゼン資料の見せ方はもちろん、声の大きさやトーン、話すスピード、身振り手振り、顔の表情に至るまで、「あの経営者は、もっと工夫すれば、ガラッと印象が変わるのに……」とその金融関係者は残念そうでした。

 職業柄、プレゼンを聴く機会が多い我々ですが、内容にかかわらず、持ち前のプレゼン力で、聴衆を話に引きこんだり、期待を抱かせたり、強く納得させたりする経営者や研究者がいるのは事実です。プレゼン力によって、同じ内容の話でも、“赤字拡大の話”か“未来への投資の話”か、聴衆の捉え方は違ってくるものです。

 先ほど話題に上がった上場バイオベンチャーの説明会では、確かに、まだまだプレゼン力を高める余地がありそうでした。最近、ある上場バイオベンチャーでは、長期的な株価対策のためとして、金融情報に明るい元記者を社員に迎え入れたそうです。株価で適正に評価されるために、できることはいろいろありそうです。