【日経バイオテクONLINE Vol.2860】

薬価改定目前、“区分II”だったある国内製薬の悩み

(2018.02.09 08:00)
久保田文

 おはようございます。日経バイオテク副編集長の久保田です。

 1月15日号の特集でもお伝えしましたが、2018年4月、2018年度診療報酬改定が実施されます。通常の薬価改定に加え、薬価制度の抜本改革と称して、「新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度」の抜本的見直しや、長期収載品の引き下げなど、今回はあの手この手で薬価が下げられる結果となり、製薬企業の業績を直撃するのは必至と見られています。

特集◎2018年のトレンドを読み解く
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/082400016/011000044/

 うち、新薬創出等促進加算制度の見直しでは、現在販売されている約900品目の先発医薬品を対象として、同加算の適用品目を見直すことになりました。見直し後は、加算の対象品目が約820品目から約540品目へ、大幅に減少。加えて、加算を算定する際の係数も、企業区分に応じて差を付けることになりました。

 具体的には、(1)2017年9月時点の国内試験(国際共同試験を含む)の実施数、(2)過去5年間の新薬収載実績(収載成分数)、(3)開発公募品の開発着手数、(4)開発公募品の承認取得数、(5)世界に先駆けた新薬の開発品目数――に応じて企業にポイントを付与。積算ポイントに応じて企業を3区分し、上位25%は「区分I」、最低ポイントは「区分III」、それ以外が「区分II」となり、加算係数に差がつけられます。

 厚生労働省は2018年1月、各製薬企業に対し、見直し後の加算の対象品目や、加算計数を決定するための企業区分について通知を行いました。その中で、ある国内製薬企業の関係者は「上位25%には入っていると思っていたが、区分IIだった…」とこぼしていました。

 今後に向けて同社が悩んでいるのは、「自分たちなりに、ポイントを積算してみたものの、あくまで相対評価なので、今後どの程度ポイントを増やしたら区分Iに入れるのかよく分からない」(同関係者)ということ。もちろん、(1)から(5)まで全体にポイントを増やせればいいのでしょうが、現実はそう簡単ではありません。前出の関係者は、「いっそのこと、全社のポイントの詳細と順位を公表して欲しい」と話していました。今回実施が決まった薬価制度の抜本改革ですが、運用に当たっては、いろいろ改善の余地はありそうだ、と感じているところです。

 最後にお知らせです。2018年2月27日から3月1日にかけて、京都市内で「AsiaTIDES 2018」が開催されます。同年会は、アジアから、核酸(オリゴヌクレオチド)医薬、ペプチド医薬の研究・開発・製造に携わる300人以上の専門家が、一堂に会する機会です。私も現地に取材に行く予定ですので、最新の研究開発状況について、ご提供いただけるネタがございましたら、一声おかけください。

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