【日経バイオテクONLINE Vol.2764】

医薬品のイノベーションはどのように評価されるべきか

(2017.09.15 08:00)
山崎大作

 日経バイオテク副編集長の山崎です。

 医療保険財政が厳しくなる中、高額薬剤だけでなく、新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度(新薬創出等加算)などの新薬を開発する製薬会社に対するインセンティブについても厳しい目が向けられるようになっています。事実、9月13日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)薬価専門部会では、新薬創出等加算が俎上(そじょう)に乗せられ、その効果を改めて検証するべきと指摘されました。

中医協、イノベーションの評価求める業界団体に対し厳しい意見相次ぐ
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/17/09/13/03217/

 ある製薬企業の幹部は以前、「欧州の大手企業の中には自国で十分な薬価が付かないことを理由に、海外のみで開発する薬を持つ会社もある。新薬創出等加算が無くなったりすると、日本でも同様のことが起こるだろうね」と話していました。そのときは酒の席の場ということで、話はそこで終わってしまいましたが、そんな時代はそう遠くないのかもしれません。

 国としての産業育成が掲げられているバイオベンチャーについても例外ではありません。前出の薬価専門部会では、バイオベンチャー36社からなる日本バイオテク協議会も協議会設立から初めて中医協の場で意見を述べましたが、部会の委員からは「ベンチャー企業に対しては各省庁が十分支援している」「ベンチャー企業だからといって薬価の算定に差を付けるのはおかしい」といった意見が出ています。

 本当にベンチャー企業への支援は十分なのか、またイノベーションはどのような政策によって支えられるべきなのか。一記者としても考えていかなければいけないテーマだと考えています。

 そんな議論の一助とすべく、日経バイオテクでは9月28日に「激論! 次世代のバイオベンチャー振興」と題したセミナーも予定しています。

http://www.nikkeibp.co.jp/seminar/atcl/med/170928/

 こちらもぜひよろしくお願いいたします。

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