【日経バイオテクONLINE Vol.2704】

ゲノム編集療法の成否を左右する“目の付けどころ”

(2017.06.16 08:00)
久保田文

 おはようございます。副編集長の久保田です。朝から恐縮ですがまずは、来月のセミナーの告知から。

 ゲノム編集による新事業創出のセミナーを、7月10日(月)午後、東京都内で開催します。ゲノム編集については、これまで日経バイオテクでは、創薬や医療応用をテーマにセミナーを開催してきましたが、今回は、製薬業界だけでなく、【それ以外の業界の方々】にも、ご参加いただきたい構成になっています。

◆◆◆ゲノム編集が生み出す新ビジネス◆◆◆
~ 物質生産、品種改良から創薬まで~
開催:2017年7月10日(月) 13:00~17:30
  (開場12:30)
会場:日経BP社 4F (東京・白金高輪)
http://nikkeibp.jp/seminar/atcl/med/170710/
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 セミナーでご講演いただくのは研究者ではあるのですが、どなたもゲノム編集技術の事業化に携わっていたり、事業化を検討していたりする方々ばかり。セミナーでは、学会のように技術について議論するだけではなく、事業化の可能性、新しい市場の可能性についても、議論をしていきたいと考えています。

 新たな事業の創出に向け、セミナーで日本発の有望な“シーズ”を一緒に探しませんか。

 さて、本題です。とはいえこちらもゲノム編集の話題なのですが、海外ではゲノム編集療法の開発が急ピッチで進んでいました。もう、最新号の特集はお読みいただけましたか?

特集
米遺伝子細胞治療学会(ASGCT)第20回総会現地報告
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/082400016/060700028/

 今回一緒に学会に参加した日本人研究者から多く聞かれたのは、「目の付けどころがうまい!」という言葉でした。特定の疾患に対するゲノム編集療法といっても、ゲノムのどこを狙って、どんな変異を入れるか、あるいは遺伝子をノックインするかには、様々なアプローチが考えられます。

 実際、リスクベネフィットの観点から、ゲノム編集療法がとみに有用と考えられる鎌状赤血球などに対しては、かなりの数の研究者が様々なアプローチを検討していました。米国を中心に世界では、もともと疾患を長く研究してきた研究者が、治療法開発にゲノム編集が役立つのではないかと技術を取り入れ、ゲノム編集療法を開発するケースが目立ちます。その結果、複数の研究者や企業が、より安全で、より有効なアプローチの検討にしのぎを削る状況が生まれています。

 翻って日本では、同じ疾患に対して複数のゲノム編集療法の研究が進められているとは言い難い状況です。また、ゲノム編集技術をメーンに研究する研究者が、応用研究として疾患の治療法開発に乗り出すケースも少なくありません。新しい技術をどう生かすべきか――。今回の米遺伝子細胞治療学会(ASGCT)は、そうした目の付けどころのうまさに、圧倒された学会でもありました。

 バイオ研究者やバイオ産業に携わる方、約5万人に向けて月曜から金曜まで週5回配信している日経バイオテクONLINEメールに、水曜日と金曜日に掲載している記者によるコラムを掲載します。

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