【日経バイオテクONLINE Vol.2679】

大学発ベンチャーのランキングを見て思うこと

(2017.05.12 08:00)
山崎大作

 日経バイオテク副編集長の山崎大作です。

 帝国データバンクが4月28日、大学発ベンチャー858社を集計・分析したリポートを発表しました。業種別でみると、上位10業種中4業種を医療関連業種が占めており、ヘルスケア関連事業への社会の注目の高さがうかがえます。また、オリジンとなる大学別に見ると、東京大学が93社と最も多く、東北大(43社)、大阪大(42社)、京都大(38社)、九州大(35社)と続いていました。

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p170409.html

 少し古いですが文部科学省が2015年3月に公表したデータによると、2015年度の運営費交付金予定額は東京大が803億円と最も多く、京都大(531億円)、東北大(456億円)、大阪大(443億円)、九州大(412億円)と続いています。大学発ベンチャーを輩出するランキングとこの数字を重ね合わせると、「運営費交付金を始めとした補助金や競争的資金の獲得額を考えると当然のランキング」と思う方も多いでしょう。

 ただ、本当にそれだけでしょうか。

 ベンチャー経営者から、「大学に特許の使用権を認めてくれるようお願いすると、とにかく動きが鈍い。ビジネスの速度を全く知らないような時間軸で話が進む。また、開発者の先生への態度と、我々事業サイドとでまるで対応が違う」との愚痴を聞くことは少なくありません。あくまで感覚的なものですが、そのような愚痴を多く聞く大学と、そうでもない大学があるようです。

 行われている研究内容以外の部分で、実用化への道に差がついてしまっているとすればもったいないことだと言わざるを得ません。

 バイオ研究者やバイオ産業に携わる方、約5万人に向けて月曜から金曜まで週5回配信している日経バイオテクONLINEメールに、水曜日と金曜日に掲載している記者によるコラムを掲載します。

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