日経バイオテク副編集長の山崎大作です。

 2016年10月3日、医薬品開発受託機関(CRO)の世界最大手、米Quintiles Transnational Holdings社と医療情報サービス大手の米IMS Health Holdings社の合併が完了して、新会社QuintilesIMS社となりました。当初、年内の統合完了がアナウンスされていましたが、前倒された形となります。日本法人については、しばらく旧体制のままで行われるということで、何が変わるのかが明らかになるのはまだ先になりそうです。

 ただ、数年前から来日する幹部と話すたびにリアルワールドデータの重要性を強調していたQuintiles社と、医薬品に関するデータの流通を手掛けてきたIMS社とが合併する以上、これまで以上にリアルワールドデータを核とした事業を展開していくのは間違いないでしょう。

 実際の臨床現場から出てくる各種の検査値や処方データなどのリアルワールドデータは、医薬品の費用対効果を算出したり、効率的に創薬を行ったりすることにも役立つからです。日本でもデータの重要性は認識されており、2016年10月12日に厚生労働省が「レセプト情報・特定健診等情報データベース」を公表するなどの動きもありました。

 といっても、電子カルテデータなどを保険者などから入手できる米国と異なり、日本で流通しているのは病名の入っていない診療報酬明細書(レセプト)がメーン。日本ではリアルワールドデータを活用したビジネスはまだ途上です。日本のCROや医療情報を扱う各社が、新生QuintilesIMS社が手掛ける事業にどのように対応していくのか、注目していきたいと思います。