みなさん、こんにちは。日経バイオテク副編集長の久保田です。2016年10月3日、ノーベル生理学・医学賞の受賞者が発表されました。

 日経バイオテクONLINEでは、受賞者を事前に予想する「バイオ村の住民投票」を実施していたのですが、受賞が決まった東京工業大学の大隅良典栄誉教授は第2位に予想されていて、惜しかったです。来年も、同様の住民投票を行う予定ですので、ぜひご参加ください。

ノーベル生理学・医学賞、受賞者予想では本庶氏が第1位に
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/091400014/092900007/

 受賞の一報を受け、東工大は20時から1時間、記者会見を開催すると発表しました。実は発表当日、受賞が予想されているような研究者が在籍する大学や研究機関(東京大学、京都大学、大阪大学、国立がんセンターなど)には、あらかじめ記者会見場が用意され、それぞれの担当の記者が詰めていました。

 残念ながら、本誌は諸事情から、関西に記者を1人派遣していただけだったので、私も発表を受けてから東工大に急行したのですが、着いてみてびっくり。記者会見場に用意された約70、80席はほぼ満員で、約40台のテレビカメラ、数えきれないほどのカメラマンであふれかえっていました。最後列の1席を確保して書いたのが、以下の記事です…。

ノーベル賞受賞が決定した東工大の大隅栄誉教授が記者会見
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/10/03/01627/

 さらに東工大は、21時の会見終了後から、くじで当たったメディアに10分ずつ取材を許可するということで、本誌も応募しました。その結果、その日の最後(24時10分から10分)の枠が当たり、本誌も大隅先生に取材させていただきました。私も15年ほど記者をやっていますが、24時を回ってインタビューしたのは初めてのことです。

大隅氏、「研究費の絶対額の増大と研究しやすいシステム作りを」
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/10/04/01636/

 次の日も、大隅先生は早朝から分刻みのスケジュールでメディア対応をこなし、日本だけでなく海外のメディアの取材も受けて…。こんな調子だったので、さすがにお疲れになり、3日目以降に予定されていたメディア取材は、一律キャンセルとなりました。

 取材時に大隅先生は、「流行を追わず、他の研究者がやらない研究に力を入れてきた」とお話されていましたが、対照的にメディアの流行を追う姿勢は尋常ではない、と実感した次第です。加えて、基礎研究への関心が一時的なものにとどまるのではなく、若い研究者がやりたい研究をやれるようなシステムや雰囲気作りにまで発展すればいいなあ、と心から思っています。