皆さんこんにちは。日経バイオテクの高橋厚妃です。先週、経済産業省と厚生労働省、文部科学省の3省合同で開催された第2回「医学研究等における個人情報の取扱い等に関する合同会議」を傍聴しました。これは、2015年9月に「個人情報の保護に関する法律」が改正されたことを受け、医学研究に関連する3つの指針の変更を行うものです。
 
 9月の個人情報保護法の改正では、個人情報の定義に、身体の一部の特徴をデジタル化した符号などの「個人識別符号」や、人種や病歴などの「要配慮個人情報」が含まれることになりました。加えて個人情報の取得や提供のルールが厳格化され、収集するデータが人種や病歴など要配慮個人情報に当たる場合は、原則同意が必要となりました。そこで同会議では、現行の指針の中で、改正個人情報保護法とそぐわない箇所を同定し、変更を行おうというわけです。

 ただし、機械的に指針を変更するのは困難です。2016年4月13日に開催された第1回の会議では、ゲノムや医学研究の現状や、法改正で影響があると考えられる懸念についてのヒアリングが行われました。ゲノム解析の研究者からは、国内外の共同研究やデータベースとのデータの共有を行わなければ研究が進まないため、それが制限されると困る、といった声や、臨床研究を行う医師からは診療録のデータを使用する臨床研究で、数年経過した後に再度解析し直す場合などは、患者から直接同意を取ることは現実的に不可能などと言った意見があがりました。こうした意見をふまえながら、同会議では今後、ゲノムデータや病歴データの扱い方について、話し合いを進めます。

 今年の夏をめどに指針改正の取りまとめが行われる予定ですので、引き続き注視していきたいと思います。