こんにちは。副編集長の山崎大作です。昨日、京都大学が出資するベンチャーキャピタル(VC)、京都大学イノベーションキャピタル(京都iCAP)の初の投資に関する記者会見がありました。2013年設立で細胞や細菌の分離を手掛けるAFIテクノロジーと、2015年設立の創薬ベンチャーの京都創薬研究所、2014年設立でiPS由来の心筋細胞を提供する幹細胞&デバイス研究所の3社に対して、総額4億8000万円を出資します。

京都大学のVC出資の1号案件は、細胞検出と創薬、創薬支援
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/05/19/00750/

 京都iCAPは京都大学での研究結果の事業化支援を目的としており、「民間では投資できないアーリーなシーズに投資して、リスクマネーの呼び水としたい」(樋口修司社長)としています。今回の投資は設立から1年~3年と若い企業で、それぞれ民間のVCも協調投資を行うなど、狙い通りの投資ができているように見えます。

 もっとも、いずれの企業も2020年代半ばまでの上場などのイグジットを計画しているほか、既にサービスを開始していたり、創薬を手掛ける京都創薬研究所も前臨床試験を終えていて治験入りを予定しているなど、「シーズ」というには事業が進んでいるところばかりです。今回、協調投資を行ったあるVCの関係者も「初めは付きあいで少額投資するかと思ったけれど、会社の話を聞いてもっと入れたいと思った」と話すほど。その観点では、今回の投資は「民間ではリスクがあって投資できない」ベンチャーとは一線を画します。

 また、京都iCAPと出資について話をしたという、あるベンチャーの経営者は、「上場前のレイトステージのベンチャーに対するような資料を求められた。アーリーな段階では整えられない」とも指摘していました。

 京都iCAPが目的通りの投資ができるのか、評価するにはまだもう少し時間が必要になりそうです。